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日本屈指の美肌の湯
三重県《榊原温泉》
|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選②

2024.3.5
日本屈指の美肌の湯<br>三重県《榊原温泉》<br><small>|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選②</small>

保湿やアンチエイジングの効能がある美肌をつくる温泉、胃腸や免疫力など体内に効く温泉……。温泉研究歴40年以上の大先生が、人気温泉地から秘湯まで、東西の名湯をセレクト。
 
今回はトロトロな肌触りの美肌の湯が楽しめる三重県・榊原温泉を紹介。

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清少納言が愛したアンチエイジングの温泉

写真は湯元 榊原館の露天風呂「為之助(ためのすけ)」。男女日替わりで入浴できる。ほかにも星空を楽しめる露天風呂「天の原」など、7種類の風呂を備えている

平安時代に書かれた清少納言の『枕草子』に、有馬、玉造とともに元祖「日本三名泉」に挙げられた三重・榊原温泉は、わが国屈指の“美肌の湯”で知られる。事実、私たちの検証でも、ほおの水分量の増加、張り、抗酸化などに優れていることが確認された。
 
澄明なアルカリ性単純温泉は、まさに“天然の美容液”そのもの。しかも全国でも屈指の「酸化(劣化)しない湯」、すなわち抗酸化作用の強い、アンチエイジングの湯でもある。

源泉をたっぷり使った湯元 榊原館の「温泉野菜蒸」。パプリカや干し柿など抗酸化力の高い旬の野菜や果物を月替わりで用意している

歓楽的な要素がないのどかな田園風景を借景とした温泉場で、大正創業の「湯元 榊原館」の名物「源泉風呂」は、湯治(療養)の湯として幅広い世代に人気がある。31.2℃の自家源泉100%かけ流しの湯に15〜20分浸かり、加温したかけ流しの大浴槽で温まり、また源泉風呂に浸かる。これを3回繰り返すと、身体の芯から温まってくる。
 
美肌効果だけでなく、「万病の元」といわれる活性酸素を除去、抑制したり、疾病に打ち勝つ抗酸化能が高まることを、私たちの入浴モニターによる実証実験で確認している。名門の宿だけに、かけ流しの大浴場の湯は毎日換水しているから安心である。
 
近代的な鉄筋施設は現代人の滞在に快適で、四季折々の湯の瀬川の清流を望む食事処での夕食も楽しみだ。なにせ松阪牛、伊勢海老など全国ブランドの食材の宝庫なのだから。2、3泊の連泊がおすすめ。

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岩手県《花巻南温泉峡》
 
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湯元 榊原館
住所|三重県津市榊原町5970
Tel|059-252-0206
料金|1泊2食付1万9950円〜(税・サ込)
IN|15:00
OUT|10:00
キッチン×/ランドリー×/Wi-Fi〇
 
<温泉data>
泉質|アルカリ性単純泉
湧出温度|約31.2℃
かけ流し|〇

text: Tadanori Matsuda
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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