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山奥で過ごす滞在
奈良県《十津川温泉郷》
|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選⑤

2024.3.8
山奥で過ごす滞在<br>奈良県《十津川温泉郷》<br><small>|温泉教授・松田忠徳が惚れた名湯10選⑤</small>

保湿やアンチエイジングの効能がある美肌をつくる温泉、胃腸や免疫力など体内に効く温泉……。温泉研究歴40年以上の大先生が、人気温泉地から秘湯まで、東西の名湯をセレクト。
 
今回は2004年に日本ではじめて100%源泉かけ流しを宣言した奈良県・十津川温泉郷を紹介。

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日本ではじめて源泉かけ流しを宣言

ホテル昴の露天風呂。日中は大自然を、夜は星空を観賞できる

紀伊半島のほぼ中央に位置する奈良・十津川村は、わが国屈指の秘境といわれる。近年、その十津川が一躍脚光を浴びるようになったのは、2004年に村内の温泉施設25軒(当時)すべてが全国初の「源泉かけ流し」宣言を行って以降。
 
十津川温泉郷は元禄年間に発見された十津川温泉が核となる。紀伊半島で屈指の湧出量と高温を誇るだけに、“源泉かけ流しブーム”の先駆けとなることができた。泉質はナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉と単純硫黄泉で、極めて抗酸化力のある温泉であることは、私たちの化学的な調査と入浴モニターによる実証実験で確認済みだ。

飲泉所。一度に飲む量はぐい飲み1杯分くらいまでが吉

ここでは温泉プールなど充実した施設を有する「ホテル昴」をおすすめしたい。サウナ付きの開放的な大浴場の柔らかな湯質は抜群である。美肌づくりの湯で、泉源から近いだけに私もホテル昴のファンだ。寝湯付き露天風呂のある庭園には、打たせ湯や奈良県で最初の飲泉所もある。紀伊山地の山懐の寝湯で満天の星を仰ぐと、都会でたまったストレスが解消されること間違いないだろう。
 
ユネスコの世界遺産、熊野参詣道小辺路の果無集落に近く、熊野三山の奥の院といわれる玉置神社、それに谷瀬の吊り橋など、2、3日の連泊でも飽きはこないと思われる。「庵の湯」、「滝の湯」、「泉湯」など、眺望に恵まれた共同湯があり、外湯めぐりも楽しめる。

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和歌山県《南紀勝浦温泉》
 
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ホテル昴
住所|奈良県吉野郡十津川村平谷909-4
Tel|0746-64-1111
料金|1泊2食付1万7600円〜(税・サ込)
IN|15:00
OUT|10:00
キッチン×/ランドリー〇/Wi-Fi〇
 
<温泉data>
泉質|ナトリウム炭酸水素塩泉・塩化物泉
湧出温度|約70℃
かけ流し|〇

text: Tadanori Matsuda
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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