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富山の地酒を巡る旅へ
見て、味わって、持ち帰る【前編】

2021.12.17 PR
富山の地酒を巡る旅へ<br>見て、味わって、持ち帰る【前編】

空気が澄み、山々が輝く冬の富山。海の幸、山の幸が豊富に出揃う季節でもある。雪解け水に育まれた湧水で仕込んだ佳酒も多い。富山ならではの味、文化に出合いに行こう。

美食家、起業家、クリエイターが
こぞって集まる日本酒の聖地・岩瀬へ

江戸から明治期にかけて、北前船の寄港地として栄えた岩瀬町。旧北國街道の街並みが残っており、近年は富山の文化を発信する新店も登場。富山観光には欠かせない場所として注目が集まる。

しかし、岩瀬の街は一時シャッター街となった時代があったという。この状況を憂い、街並み再生に尽力してきたのが「桝田酒造店」の5代目蔵元・桝田隆一郎さんである。「酒蔵は簡単に引っ越せないから、自分で自分の街をきれいにするしかない」と考え、街を再生する活動を開始した。

たとえば、「酒商 田尻本店」の建物は、回船問屋・森家の倉庫。母屋は重要文化財として大切に保存されているものの、倉庫は空き家となり、解体の危機を迎えていた。それを桝田さんが買い取り、再生を試みたのだ。
「この倉庫の補修をしている際、偶然通りかかったことがあったのですが、建物の老朽化が進んでいて、絶対再生などできないと思える状態でした。この店は前店主から私が受け継いだのですが、自分がこの酒店を切り盛りすることになり光栄です」

そう語るのは、店主の犬島さん。天井は高く、土壁の風合いを生かした店内は開放的。入り口には銭湯から受け継いだ木製ロッカーが設置されており、そこに荷物を入れて、約1500種が並ぶ巨大セラーでじっくりと酒を吟味できる。壮大な数の日本酒に驚くかもしれないが、唎酒師とソムリエ資格を持つ犬島さんと会話を楽しみながら、好みの日本酒を吟味していくプロセスは楽しい。

釋永岳さんが岩瀨町にアトリエを構えることになったきっかけも桝田さんだ。代々陶芸を家業とする家に生まれ育ち、大学時代は立体造形に魅せられ、彫刻を学んだ釋永さん。一方で陶芸の技法、素材の豊かさに惹かれていくも、家業を継承することに悩み、陶芸の道をあきらめることも考えていた。「そんなとき、たまたま桝田さんとお酒を飲んだのですが、私の心の内を見事に見抜かれました。そして、『いま、街をつくっているんだけど』と話をしていただいたことで、自分でアトリエを構え、土を素材に表現する道を決意できました」

桝田酒造店をきっかけに、さまざまな人が集まっているようだ。

歴史を受け継ぎ
新たな日本酒造りへ

北海道で創業し、明治年間としては大きな規模の酒蔵に成長するも、1905年に現在地・東岩瀬へ戻る。以来、酒蔵が守り継がれ、「満寿泉」は富山を代表する銘柄へと成長。新たな挑戦を続ける。

桝田酒造店
住所|富山県富山市東岩瀬町269
Tel|076-437-9916
※蔵見学は不可

巨大セラーには
富山の酒が約1500種

森家の蔵を改装した店内には、13℃で管理された巨大セラーが。桝田酒造店から出荷される酒の種類が豊富で、満寿泉の新酒や、平成4年のビンテージシリーズを扱う。

酒商 田尻本店
住所|富山県富山市東岩瀬町102
Tel|076-437-9674
営業時間|10:00〜19:00(日曜〜18:00)
定休日|月曜

 

まだまだ進化中!
昔ながらの蔵で愉しむ
酒ツーリズム

 
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text: Hiroko Yokozawa photo: Kiyono Hattori map: Alto Dcraft
2022年1月号「酒旅と冬旅へ。」

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