山形のクラフツマンシップに会いに行く。
よしだの桐箱、米沢緞通・滝沢工房のチェアーラグ
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風光明媚な山形では、豊かな気候風土が生み出す素材を生かした伝統工芸品がいまも受け継がれています。その中で、職人技術を守りながら現代に合わせて進化している山形ならではの逸品を紹介します。
紹介するプロダクトは、渋谷パルコDiscover Japan Lab.にて~2022年3月4日(金)まで購入いただけます!
伝統と革新が融合した
モダンな逸品の魅力
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四季折々で美しい表情を見せる山形は、古くより数々の伝統工芸品が息づいている。その中で、昭和5年の創業以来、唯一無二のオーダーメイド桐箱を生み出しているのが「よしだ」。古来山形の名産品であった桐のもつ調湿性や防虫・防カビ効果を生かしたブックケースなど、斬新なプロダクトをクリエイトしている。
また、400年以上続く米沢織物の歴史に新しい風を吹き込んでいるのが「米沢緞通 滝沢工房」だ。独自の特許技術を駆使し、かつて首相官邸にも納められていた高密度の手織じゅうたんは、モダンなチェアーラグやスツールラグとして生まれ変わっている。
どちらも一つひとつ手づくりで山形にしかないクラフツマンシップを宿し、現代の暮らしに合わせて進化したもの。伝統×革新の一生物をぜひ現地で触れてほしい。
匠技を宿した桐箱は現代の暮らしに寄り添う
よしだの茶箱とコーヒー豆入れ
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右からヨシダミドリ(緑茶)、ヨシダレイコ(コーヒー)、ヨシダヨウコ(紅茶)
1年経っても香りが飛ばない保存性が魅力。山形市の共同事業で東北芸術工科大学プロダクトデザイン学科の浅沼由乃さんがデザイン。
素材|桐 サイズ|各W64×D64×H156㎜ 価格|各3300円、3個セット9350円
木地職人だった初代が創業し、置き薬の桐箱やいち早く考案した贈答用さくらんぼの桐箱など、ニーズに合わせた桐箱を製作。木目がまっすぐで美しい柾目の上質素材を厳選し、手作業でゼロコンマ以下の微調整をしながら、中身を入れて蓋を持っても落ちない匠技を凝縮したつやのあるオーダーメイドの桐箱にこだわる。“あなただけの重要文化財”である本を守るブックケースをはじめ、音響効果を生かしたスマートフォンスピーカー、最新のコーヒー豆・茶葉の保存箱など3代目が生み出す独創的なプロダクトは、一生使える代物ばかりだ。
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1986年から修業し、2015年に3代目に就任。「軽量で調湿性が高くクッション性もある桐箱は大切なものの保管に最適。経年変化も味わい深い魅力です」
住所|山形県山形市五日町6-9
Tel|023-645-3025
営業時間|9:00~19:00
定休日|日曜、祝日 ※工房での見学・商品購入の際は要予約
https://hakoyoshi.jp
モダンに生まれ変わる唯一無二の丈夫なじゅうたん
米沢緞通・滝沢工房のチェアーラグ
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ウールは夏は涼しく、冬は温かい。何より低反発のように押し上げるような贅沢な座り心地と、カラフルな波形のデザインが魅力的。
素材|羊毛/綿糸 サイズ|W380×H380㎜ ※フィールド部分 価格|3万6080円
約3000年前の中近東をルーツにもつ高密度の手織りじゅうたん・緞通の製造を1966年からはじめる。初代が発明し特許を取得した「滝沢織機」の高度な技術と丈夫な品質が認められ、かつて首相官邸や東京・日比谷の日生劇場にも納品していた。2代目の滝沢幹夫さんが改良特許を取得し、高級じゅうたんのメインテナンスを生業としながら2017年よりリブランディング。ウールと綿の縦糸と横糸、からみ糸を織り上げ、図案から仕上げまですべて手仕事でつくるモダンなチェアーラグは驚くほど心地よく、座る人の佇まいまで美しくする。
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2020年入社。じゅうたんづくりを学びながら図案作成、制作を担当。「いまはデジタル化が進んでいますが、アナログな手織じゅうたんの魅力を次世代に伝えたいです」
住所|山形県米沢市城西3-6-4
Tel|0238-21-6232 ショールーム営業時間|10:00~17:00(要予約)
定休日|日曜、祝日 ※工房見学は不可
www.yonezawadantsu.jp
Discover Japan Lab.でも購入できます!
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~2022年3月4日(金)まで、この2アイテムを含めた、山形の計7ブランドが渋谷PARCOにある直営店「Discover Japan Lab.」に集結!
Discover Japan Lab.
住所|東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷PARCO1F
Tel|03-6455-2380
営業時間|11:00~20:00 ※時短営業中
定休日|不定休
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text: Ryosuke Fujitani photo: Yamato Nonaka
2022年3月号「第2の地元のつくり方」