《ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢》
八王子素材×フレンチBBQ【後編】
犬養裕美子のディスカバー ベスト・レストラン
思いがけないところに、思ってもみなかったいい店がある。日本のレストラン文化はこんなに奥深い！と感激する店を探してきました！今回訪れたのは、東京都・八王子市のフレンチレストラン「ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢」。新鮮な地元の素材にこだわり、生産者とのつながりを大切にする井村貢シェフの、鮮やかな色合いに仕上げるご馳走の数々を前中後編で紹介します。
犬養裕美子（いぬかい・ゆみこ）
東京を中心に世界のレストラン、食文化を取材。最近は日本の地方に注目。郷土料理を守るだけでなく、その土地の生産者とともに新しいレストラン様式に挑戦するシェフを取材。農林水産省表彰制度「料理マスターズ」審査員
シェフ
井村貢（いむら・みつぐ）
1972年、大阪府生まれ。調理師学校卒業。ハウステンボスで上柿元シェフの下、フランス料理の王道を学ぶ。銀座のワインレストランでシェフを務め、プリオコーポレーション入社。各店の技術指導にあたる
《いよいよBBQのスタート》
素材自身の水分、脂分を凝縮させて生まれ変わる
《肉》
鶏モモ肉のローズマリー焼
ローズマリーの香りをまとった鶏に、シェフはもうひと手間かけてスモークの香りをつけた。香ばしい燻製の香りは食欲を刺激するだけでなく、風味も増す。
国産豚肉のスパイス焼き
コンフィ（脂の中で揚げ焼き）にした豚を、クミン、フェンネルなど5〜6種類のスパイスを振って焼く。コンフィのホロッ、スパイス焼きのカリッとした2種類の食感を際立てた豚肉最強の調理法。
ジャージー牛のロース肉の香味焼き
磯沼ミルクファームのジャージー牛（搾乳を終えた牛）をロースの塊で焼いて切り分け、ニンニクのチップで香りをプラス。ニンジンソースを添えて完成。
ソーセージとカマンベールチーズ焼き
磯沼ミルクファームのヤングビーフソーセージをグリルし、カマンベールチーズをのせてバルサミコソースを添える。あっさりしたヤングビーフにチーズでコクをプラス。ナイスアイデア。
《魚介》
帆立貝とオマール海老
魚介のひと皿目。ホタテ貝にはバジルのソース・ピストゥ。オマール海老には、トマト、ニンニク、オリーブオイルにバターをプラスしたソースで変化を楽しむ。
鮮魚のホイル焼き
真鯛とトマトとスライスレモンのホイル焼き。白身魚もふっくらと仕上がる蒸し焼き。魚の香り、旨みがシンプルに味わえる。季節ごとに魚も替わる。
《食事》
カマルグ風パエリア
南仏のカマルグ地区はフランスでも珍しい米の名産地。また塩田もありミネラル分豊富な塩が生産されている。その米と塩を使ったパエリアは大人気。
《デザート》
牛乳ソフトと季節のフルーツのパルフェ
最後は磯沼ミルクファームのジャージー牛の牛乳を使ったソフトクリームと、パイナップル、マンゴー、パッションフルーツなど季節のフルーツでさっぱり。
ここまでやる！？
ほかにもユニークな大サービスあり！
モーニング
朝採れ野菜のサラダ、由木農場の卵料理、福生市大多摩ハムの加工品、磯沼ミルクファームのチーズとヨーグルト。温州みかんのジュース、自家製パンなど盛りだくさんな内容で1980円。8:30〜10:30（要予約）
アフタヌーンスタンド
季節野菜のヴルーテ、サラダにオープンサンドウィッチ、スコーン、カナッペなど軽食も含まれるので遅めのランチとして楽しむ人も。プチフール、焼き菓子、チョコレートなども含めて2000円。
テラス席を利用して1日限定2組だけのBBQコース。井村貢シェフが目の前で焼いて盛りつけて出してくれる。「鉄板焼きや寿司店のカウンターのよう、と好評です」誕生日会や記念日にぴったり。爽やかな風が心地よい、優雅なBBQはいかが？
ヴィラ・デ・マリアージュ多摩南大沢
住所｜東京都八王子市別所1-119
Tel｜042-670-8668
営業時間｜モーニング8:30〜10:00（L.O.）、ランチ11:30〜14:30（L.O.）、ティータイム11:30〜16:30（L.O.）、ディナー17:00〜19:30（L.O.）
※時短営業時16:30〜18:00（L.O.）
定休日｜月、火 （土、日曜はウェディングがないときのみ営業）
https://villasdesmariages.com/location/tama
※要予約
text:Yumiko Inukai photo: Muneaki Maeda
Discover Japan 2021年9月号「SDGsのヒント実はニッポン再発見でした」
