「寺村光輔」アートスペース油亀が選ぶ注目のうつわ作家
Discover japan公式オンラインショップでは、2021年4月29日から「珈琲のための器展」 がスタート。岡山県の人気ギャラリー「アートスペース油亀(あぶらかめ)」発の展覧会で、全国の“コーヒー党”の作家約60人に声を掛け、彼らのコーヒー愛に満ちた多彩なうつわ約6000点を集めるというユニークな企画です。
「珈琲のための器」展は、もともと「アートスペース油亀」の代表・柏戸喜貴さんが大のコーヒー好きだったことからはじまった企画。やはりコーヒーが大好きな陶磁器・木工・ガラスなどの作家たちに、「自分なら、どんなうつわを使ってコーヒーを飲みたいか」を追求のうえ、この展覧会のために新たに作品をつくってもらうという企画だ。作家たちは、およそ1年をかけどんなうつわにしようかと思いをめぐらせ、満を持して出品するという。
今回、「珈琲のための器」展に出展する作家のべ約60人から、特に注目のうつわ作家を柏戸さんに紹介してもらった。
柏戸喜貴(かしわど・よしたか)
1978年大阪府生まれ。大学卒業後、登山用品等を扱う「好日山荘」に入社。赴任地の神戸・新潟・岡山や旅先でものづくりの人々と出会い、イベントに携わる。2004年退社後、現・アートスペース油亀の建物(妻の祖父がかつて営んでいた油問屋)と出合い、改修をはじめる。2007年にギャラリーとしてオープン。うつわを特集する企画展では、関連する食品の販売や飲食の提供、イベントも意欲的に行い、人気を博している。
寺村光輔(てらむら・こうすけ)
1981年、東京都生まれ。2004年、法政大学経済学部卒業。その後、益子にて若林健吾氏の下で作陶を学ぶ。2008年、益子町大郷戸に築窯し、独立。2015年、アートスペース油亀にて企画展「温故知新」開催。2017年、アートスペース油亀にて企画展「陰翳礼讃」開催。2019年、アートスペース油亀にて企画展「余白」開催。
自らつくった灰釉で、自然の力を引き出す
「少し厚みある口になるよう、ぽってりとろくろを挽く」という寺村さんは、益子焼の陶芸家。自分で灰づくりから手掛け、木の種類ごと焼きためた灰を釉薬として巧みに使いわけている。「写真のカップは樫の木などの灰による釉薬を使い、右の小皿の林檎灰釉と比べると光沢ある表面に少し乳濁した白の濃淡が特徴。自然の力をうまく生かし、一つずつ表情が異なる。わずかな違いを見比べると、楽しいと思います」。
柏戸さんが自信をもって薦めるうつわたち。第一弾としてまず170点が並び、会期中にもどんどん増えていく予定だ。
「飾って美しいものもあるけれど、やはりうつわは使ってこそ。日々の道具になって初めてわかる良さがあり、手触りや色合いが年月とともに変化し『育つ』楽しみもあります。そういった将来の姿もイメージしていただきながら『あれでコーヒー飲みたいね』、『これを使ってコーヒー淹れたいね』と思えるようなひと品を、ぜひ見つけてください」
「うつわの数だけ、味がある。」
アートスペース油亀「珈琲のための器」展フライヤーの一文は、まさにこの展覧会の真髄。
心ときめくうつわを手に入れて、お気に入りの一杯をゆるり、ご堪能あれ。
「アートスペース油亀」が選ぶ注目のうつわ作家
1|ワクワクが詰まった岡山のギャラリー「アートスペース油亀」
2|柳 忠義
3|タナベヨシミ
4|田川亞希
5|加地 学
6|寺村光輔
寺村光輔さんのマグカップが
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text: Kaori Nagano(Arika Inc.) photo: Mariko Taya