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「アートビオトープ那須」二期倶楽部の美意識を受け継ぐスイートヴィラ・リゾート【後編】

2021.3.3
「アートビオトープ那須」二期倶楽部の美意識を受け継ぐスイートヴィラ・リゾート【後編】
メインは蝦夷鹿のロースト。鉄分の多い肉質によく合う、ビーツ、紫芋、紫ニンジン、トレビスを添え、赤ワインソースで仕上げた。情熱と軽やかさを併せもつ真紅のひと皿

世界的建築家による建築やアートに触れられるリゾートをはじめ、地の個性を生かした全国の注目宿を前後編記事にてご紹介。ヴァーチャルでは味わえない唯一無二の滞在を堪能したい。

≪前編を読む

理屈抜きにワクワクさせてくれる料理

さっと炙ったアオリイカ、薄くスライスしたカブ、カリフラワーなど白い素材にユズの香りを合わせた雪景色のようなひと皿。ユズとカブでつくったパウダー状にしたアイスをトッピング

滞在をより豊かにするのがレストラン「μ(ミュー)」での食事。一つ星レストランで経験を積んだ若きシェフ千葉拓海さんによって生み出されるのは、県産の野菜、肉、乳製品といった地の食材を生かした軽やかで刺激的なフレンチ。シンプルラグジュアリーな宿の雰囲気にもぴったり合う新感覚の料理構成で、心身を満たすだけでなく、脳を心地よく覚醒させてくれる。

「栃木県のレストランであることを意識し、魚のポジションはお出ししていません。とはいえ、肉や乳製品を多用するとコース料理として食べ疲れてしまうため、貝類を野菜メインの皿に使うなど、軽さを出すために魚介類を取り入れています。お客さまは美食の方が多いので、食後に重いお腹ではなく、気持ちよく満たされる満足感を持ち帰っていただきたいと考えています」。

メインのデザート。チョコレートチュイールの中には、クランブル、クリームなどで仕立てたチョコレートと、ショウガシロップ漬け。サーブ時に桜チップで燻製を瞬間的に施す。ゴボウのアイスを添えて
口はじめは、ウォッシュチーズをのせた「大野りんご園」のりんごチップ(奥)に、サツマイモのピューレと香ばしいクルミが入った最中(手前)の2種
豚と里芋のリエットに、竹炭を加えたベニエ粉をまぶして揚げた一品。黒ニンニクペーストがアクセント。香り高い栃木和牛のコンソメスープとともに
自家製リコッタチーズとハマグリのラビオリ。焼きつけた菜の花、プチベール、春菊といったグリーンの苦みも主役
魚介のポジションには、ホタテと那須塩原産のマイタケをメインにして、菊芋のムースとチップス、むかごを合わせてホクホクとした芋の風味をプラス
大人の“レモン牛乳"を思わせる一品目のデザート。練乳アイスに無糖のレモンピューレ、薄くほろりと溶けるシート状のメレンゲが口の中で一体になる

客室でいただける朝食

朝食は、具だくさんのスープやパン、フルーツ、ジュースなどのモーニングバスケットを宿泊ヴィラまで運んでもらえる。パンは客室に備えられたバルミューダのトースターで好みの加減にトーストできる。施設内のカフェ「KANTAN」での和食もセレクト可能。

スタッフは全員20代。右からアミューズ担当の吉岡さん、デセールの大金さん、千葉シェフ、前菜の神子さん、ストーブ担当の平井さん、前菜の米山さん
ガラス越しに水庭を見渡すレストラン

稀少な日本ワインも

①ココファーム&ワイナリー 風のルージュ 7500円
②中央葡萄酒 グレイス カベルネソーヴィニヨン 1万1500円
③Beau・Paysage TSUGANE la montagne 2014 1万6000円

ガラス、インディゴ染、陶芸
創作の喜びを体験できる

ワークショップを行うスタジオ。吹きガラスは成形から色つけまで本格的な体験ができる
吹き竿に巻き付けたガラスを、重ねた新聞紙を使って成形。竿の反対側から息を吹き込む
グラスなどがつくれる吹きガラス体験のほか、とんぼ玉づくりなども

知が詰まった
ライブラリーがあるラウンジ

壁一面の本やアートに知的欲求が満たされるライブラリーラウンジ。ティータイムには、ヴィラゲストならドリンクやプチフールが無料で楽しめるハイティーサービスも。

身体を整えるトリートメント

植物がもつ力を生かす「ナチュロパシー」の考えに基づいたプログラム。自然の木々や風を感じる空間で丁寧に施されるオールハンドのトリートメントを受ければ、身体の芯からリラックス。

読了ライン

アートビオトープ那須 スイートヴィラ
住所|栃木県那須郡那須町高久乙道上2294-5
Tel|0287-74-3300
客室数|15室
料金|1泊2食付6万600円〜(サ込・税別)
カード|AMEX、Diners、DC、JCB、UC、VISAなど
IN|15:00  OUT|11:30
夕食|フランス料理(レストラン)  朝食|洋食(部屋)
アクセス|車/東北自動車道那須ICから約20分 電車/那須塩原駅からシャトルバスで約30分(無料、要予約)
施設|水庭、ラウンジ、トリートメントルーム、スタジオ、レジデンス
 
 

≫公式サイトはこちら

 

text: Akiko Yamamoto photo: Maiko Fukui
Discover Japan 2021年2月号 特集「最先端のホテルへ」

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