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香りはメロン。米の旨み広がる
今西酒造「みむろ杉ろまん・純米吟醸ひやおろし」

2020.9.5
<small>香りはメロン。米の旨み広がる</small><br>今西酒造「みむろ杉ろまん・純米吟醸ひやおろし」

酷暑が続きますが暦の上では秋。日本酒には、季節によってそれぞれの楽しみ方があり、秋の到来を告げる「ひやおろし」という旬の酒がある。そこで、いち早くニッポンの秋を満喫するために、「ひやおろし」を紹介。秋の味覚とともにお愉しみください。

そもそもひやおろしとは?

秋の足音が近づくと、酒蔵がこぞって発売するのが「ひやおろし」という日本酒だ。ひやおろしとは、冬に仕込んだ酒に火入れという保存性を高める加熱殺菌を施し、そのまま秋まで熟成させて冷や(常温)のままタンクからおろして瓶詰めされた酒のことである。通常、火入れは酒を搾った後と、瓶詰め前あるいは瓶詰め後の二度行うが、ひやおろしは最初の一度だけに限定するため、「生詰め」に分類される。(最後だけ火入れをした酒は生貯蔵酒と呼ぶ)

しかし近年は、酒蔵の設備が向上したために、火入れをした後に常温ではなく冷蔵庫で熟成するなど、前述のひやおろしの定義に当てはまらない酒も多く、それぞれの酒蔵が考える秋の酒を、ひとくくりにしてひやおろし、あるいは「秋あがり」と名づけることが一般的になっている。また、ここ数年はファッションを先取りするように、まだ暑さ厳しい8月辺りからひやおろしを発売する蔵もあり、秋を象徴する日本酒として各蔵の商戦が目立ってきている。

いずれにせよ、ひやおろしは、しぼりたての酒をじっくり熟成させるので新酒に比べると円熟味があり、まろやかで落ち着いた味わいなのが特徴。どちらかというと常温や燗に向くような酒質が多く、秋刀魚やキノコなどを使った料理など秋の味覚とすばらしく合う。秋の夜長に、ゆっくりちびちびと飲むことをおすすめしたい。

奈良・三輪
今西酒造「みむろ杉ろまんシリーズ 純米 吟醸 雄町 ひやおろし」

酒の神が鎮まるといわれる奈良・三輪の地で360余年醸される「みむろ杉」。仕込み水は、三輪山の伏流水、米は雄町を100%使用している。こちらは、低温熟成により雄町らしい甘みとコク、上質な醸のバランスが見事に調和した美酒。口に含むとジューシーなエキス感が広がりながらも、のど元ではきれいに消える。メロンのような吟醸香も魅力だ。

価格|1650円(720ml)
原料米|雄町100%
精米歩合|60%
日本酒度|非公開
醸度|非公開
アルコール度|15度
http://imanishisyuzou.com/

 

Discover Japan Lab.
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Tel|03-6455-2380
Instagram|https://www.instagram.com/discoverjapan_lab/
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text: Kiyoko Yamauchi photo: Kazuya Hayashi
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