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銀座《スタア・バー》の岸 久が語る、
世界のバーを変えたNINJA ICE®とは?
前編|氷と向き合い続けたその原点に迫る

2026.8.6
銀座《スタア・バー》の岸 久が語る、<br>世界のバーを変えたNINJA ICE®とは?<br><small>前編|氷と向き合い続けたその原点に迫る</small>

氷は、バーにおける「もうひとつの主役」だ。その可能性を世界へ示してきたのが、「スタア・バー」を率いるバーテンダー、岸 久きし ひさしさんである。氷は脇役といった常識を覆し、日本のみならず世界のバーに新たな価値観をもたらした。磨き抜かれた一杯を追求する彼は、いま自ら天然氷づくりにも挑んでいる。日本のバー文化を変えてきた、氷の哲学に迫る。

バーの主役は氷!
世界を魅了するNINJA ICE®

徹底した「引き算の美学」が宿る「スタア・バー ギンザ」の「忍者アイスジントニック」2500円。冷たいのに、水っぽくないことに驚く。「究極のスタンダード」として、国内外で高く評価される

クリスタルのような圧倒的な透明度ゆえ、グラスに液体を注ぐと氷と液体の境界線が見えなくなり、忍者の隠れ身の術のように消えてしまう現象からこう呼ばれる。

氷と向き合い続けた、
その原点とは?

「氷は鮨店におけるシャリのような存在」と表現し、40年ほど前から氷の可能性に着目してきた岸 久さん。まさに、氷の第一人者である。

スタア・バー ギンザの重厚感のある店内

だが、原点は意外なほど切実だった。岸さんが銀座でバーテンダーとして修業をはじめた23歳の頃、バーは限られた人だけが訪れる特別な社交場だった。高価な酒が並び、一流の接客が求められる世界。その中で岸さんは、「自分にしかできないもてなし」を必死に探していたという。
「50代、60代の社長や先生と呼ばれるお客さまが多く、若い僕をかわいがってくれました。でも当然、力不足でチャンスに応えられない。人柄やサービス以外に、お客さまに喜んでいただけるものを探していました。そこで目をつけたのが氷だったのです」

氷を削るために料理の骨すき用や特注のものなど多彩な包丁を使いこなす

当時、バーで使われる氷は、純氷を砕いたカチワリが一般的だった。岸さんは、もっと踏み込んだ高いクオリティの氷を求めた。
「氷にはもっと可能性があるんじゃないかと思ったんです。いいお酒を使って、さらに氷を替えることで、もっと違う味わいや美味しさを出せるのではないかと」

まだバーテンダーの世界においても、誰も本気で注目していなかった氷に、岸さんは可能性を見出した。アイスピックで成形するのが当たり前だった時代に、包丁で氷を自在に切り出し、角度や大きさを整え、グラスとの相性を追い込んでいく。そうした試行錯誤の先に生まれたのが、2000年に開業した銀座「スタア・バー」で使うグラスをきっかけに生まれた、多面体にカットされた独自の「ブリリアントアイス」だった。

このブリリアントアイスは業界に衝撃を与えた。透明な氷がグラスの中で光を受け、宝石のように輝く。だが、岸さんにとって重要だったのは見た目だけではない。
「氷はかたちが重要なのではなく、グラスの中で果たす機能が大事なんです」

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岸さん自らが作る天然氷に迫る!
 
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世界のバーを変えたNINJA ICE®
01|氷と向き合い続けた岸 久の原点に迫る
02|自ら天然氷のつくり手へ

text: Yumiko Numa photo: Satoshi Inokuchi
2026年7月号「納涼、しましょ。」

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