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「K36 」
京都の絶景眺望!360度のルーフトップバー

2020.11.10
「K36 」<br>京都の絶景眺望!360度のルーフトップバー
近年、ルーフトップバーは世界的にも増加傾向だが、高さを競えば見える景色は空ばかりになる。山の稜線と街並みを一度に見渡せる場所はとても稀少な存在だ

路地裏の居酒屋、オーセンティックなバーに、名物料理が楽しめる小料理店……。さまざまなシチュエーションで、常に賑わう京都の酒処にも新しい風が吹いてきた。絶景と美酒を楽しむか、知識欲を満たす酒か、今宵はどちらで過ごしたいですか?

普段は観光客で賑わう清水エリアにわざわざ京都人が足を運ぶ理由。それは見たこともない景色の中で、稀代のバーテンダーの一杯を楽しめるから。彼らには本物を見分ける嗅覚がある。

京都の夜の重鎮が
ホテルのバーを演出

2020年3月22日、東山区の一等地にある元清水小学校の跡地に「ザ・ホテル青龍 京都清水」が誕生した。

スクラップ&ビルドではなく、明治2年に開校し、昭和8年に移転新築した学び舎は、当時の面影を色濃く残す建築様式を継承。中でも圧巻というべきなのが屋上からの眺めである。

東山三十六峰に包まれた古都の街並み。間近にそびえる法観寺「八坂の塔」。霊山観音の顔も見える。これほどの絶景が京都に残されていたとは。
「はじめて現場に入ったとき、ここからの夕日に心を奪われました」と、「K36」プロデューサーの西田稔さん。

京都の愛酒家から絶大な支持を得る「Bar K6」を筆頭に、「Cave de K」、「Bar Keller」のそうそうたる実力店を率いる名バーテンダー。彼は以前からホテルのバーに興味を抱いていたという。

「私の理想は2時オープン、翌2時クローズのバー。お客さまがチェックイン後に1杯飲んで休息し、街場で飲んだお客さまが最後の1杯を楽しめる」
 現在はコロナ禍の影響で営業時間を短縮中だが、外資系ホテルとは一線を画す京のもてなしを確立している。

時間帯によって使い分けたい
開放的なルーフトップバーと格式高いThe Barラウンジ
「K36 The Bar」

K36 The Bar

代わり映えのしない日常に渇きを覚えたときにこそ、街中の喧騒からほんの少し離脱してホテルのバーへ。今日はインドアorアウトドア、どちらで過ごそう。

昭和の学び舎の意匠を生かした、重厚感あふれるクラシカルな空間。グレンファークラスのヴィンテージコレクションをさりげなくレイアウトするなど、こだわりが光る。

提供するのは温故知新をテーマとした
スタンダードカクテル

西田さん

匠の技を目の当たりにする喜びを
バトラーとして指揮を執る西田さん。(写真下)柔らかな物腰と美しい所作で酔客を魅了する。カウンターに立つのは来年2月までの予定とか。

先人たちが生み出した
永久不変のカクテルを

京都のKにして清水のK、東山三十六峰の36にして360度のパノラマビューから命名された「K36」。ルーフトップバーとザ・バーではドリンクのラインアップもわずかに変化させている。ルーフトップバーではモヒートやジントニックなど目でも開放感を楽しめるものを。ザ・バーは世界中で愛されるスタンダードカクテルがメインだ。

「アメリカで禁酒法が発令されて、今年でちょうど100年。この間にカクテルは飛躍的な進化を遂げた。先人たちが築いたスタンダードカクテルをいま一度考えるよい機会だと思います」さらにすべてのカクテルには、“奇跡の予感、“熱烈な恋”など花言葉のような一文が添えられている。「カクテルっていつも決まったものを選びがちですよね。今日の心を映す言葉で選べば、また新たな出合いがありますよ」まさに古都の粋、ここに極まれり。

「K36 Rooftop」

遮蔽物が一切なく、360度視界が開けた大パノラマに脱帽。東山三十六峰から遥か南には京都タワーの姿まで確認できる。京都市中をこの手に収めたような優越感を。

花言葉があるように、
カクテルにもメッセージを込めて

K36 マティーニ 1500円

添えられた言葉は“知的な愛”。やさしく包み込むような味わいのカクテルの王さま。

ブルームーン 1500円

言葉は“奇跡の予感”。レモンピールをそっと浮かべて、雲隠れする月をイメージした一杯。

愉しんだ後はそのまま宿泊もできる!

ザ・ホテル青龍 京都清水
Tel|075-532-1111
客室数|48室
料金|1泊朝食付6万9286円〜(税・サ込)

K36(ケーサーティーシックス)
住所|京都市東山区清水2-204-2 ザ・ホテル青龍 京都清水4F
Tel|075-541-3636
営業時間|15:00〜24:00(L.O.23:30)、Rooftopは〜24:00(L.O.23:30)
定休日|不定休
https://stillfoods.com/k36

text: Junko Nakao,photo: Sayuri Ono
2020年11月号 特集「あたらしい京都の定番か、奈良のはじまりをめぐる旅か」


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