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パレスホテル東京
《ペストリーショップ スイーツ&デリ》
コーンブレッド
|一流ホテルの美味しい名作⑧

2024.5.29
パレスホテル東京<br>《ペストリーショップ スイーツ&デリ》<br>コーンブレッド<br><small>|一流ホテルの美味しい名作⑧</small>

一流ホテルには一流のおいしさがある。先人がつくり上げて大切に受け継いできた日本のホテルが贈る美味しいものがたりをじっくりと愉しみ、そして味わってほしい。
 
今回はパレスホテル東京「ペストリーショップ スイーツ&デリ」のコーンブレッドを紹介。受け継いだレシピの配合を忠実に守り、半世紀以上にわたって愛されている名物だ。

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マーマレードやバター、黒コショウにも合う

小気味のよい食感、噛み締めるごとにトウモロコシの香ばしさと滋味深い甘さが広がる「コーンブレッド」。

創業当初から半世紀以上にわたって、多くの人に親しまれてきた「パレスホテル東京」の名物だ。

アメリカ南部生まれの家庭の味として、日々の食卓はもちろん、感謝祭などの伝統的な行事にも欠かせない、コーンブレッド。そんな理由からも終戦後、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の命でつくられた、パレスホテルの前身、米国人専用のホテルテートで提供されていたそう。時代とともにホテルが変遷を遂げる中で、進駐軍仕込みの味を継承してきた。

素材でこだわるのは、トウモロコシの粉。鮮やかな黄色やほろほろとした食感へと仕上げるために、細挽きの粉を使っている。製造のこだわりは、受け継いだレシピの配合を忠実に守ること。つくり方はシンプルですべて混ぜ合わせるだけと言いながらも、粉と熱湯で練り上げながら指で適温を測って、生地の色やゆるみ具合を見ながら微調整。焼き時間は1時間程度だが、季節や天候で厨房内の温度、湿度が変わるため、時間や温度は毎日見極めているという。

大小合わせて毎日25本程度を焼き上げる。香ばしい匂いに引き寄せられて買い求める人はもちろん、10本以上を一気にまとめ買いをするファンもいて、夕方までにはほぼ完売。

お好みの厚さにスライスをして、軽くリベイクを。温めると香りや味がより濃厚になるのでおすすめだ。そのままでも、マーマレードやバターをのせても、ベーコンエッグに合わせて黒コショウを軽く振っても美味しい。おやつにも食事にもいい、素朴な味わいが癖になる伝統のコーンブレッドだ。

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ペストリーショップ「スイーツ&デリ」
住所|東京都千代田区丸の内1-1-1
Tel|03-3211-5315
営業時間|10:30〜19:00
定休日|なし
価格|900円
サイズ|約W80㎜×D200㎜×H75㎜
消費期限|当日

text: Yukiko Mori photo: Maiko Fukui
Discover Japan 2024年5月号「進化するホテル」

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