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東京・四谷《スタンディングルーム鈴傳》
日本酒が進む呑兵衛好みの味つけ【後編】
|新しい酒に出合える角打ちの名店①

2024.1.31
東京・四谷《スタンディングルーム鈴傳》<br><small>日本酒が進む呑兵衛好みの味つけ【後編】<br>|新しい酒に出合える角打ちの名店①</small>

店主や酒ラヴァーとの会話を通して、気軽に酒の見識を深め、さまざまな酒と出合える角打ち。選りすぐりの名酒と多種多彩なつまみで多くのファンを魅了している名店3軒を訪ね、人気の理由を探った。
 
今回訪れるのは、老舗酒販店「鈴傳」に併設された「スタンディングルーム鈴傳」。ほっとする家庭の味と日本各地の名酒で小粋なひとときを楽しみたい。

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呑兵衛好みの味つけに日本酒が進む

手づくりの料理はほぼ日替わりで、十数種類用意。火曜は牛すじ、水曜はレバー、金曜は煮玉子と串カツといった曜日限定メニューも

「スタンディングルーム鈴傳」の扉を開くと、昭和風情を色濃く残す空間が広がっている。壁には手書きの日本酒メニューなどが貼られ、カウンターには売り切れ御免の料理がズラリ。お客はここで注文し、キャッシュ・オン・デリバリーで支払う。グラスになみなみと注がれた1合の酒をこぼさぬよう、その場でグビリとひと口飲み、席へ移動するのが鈴傳スタイルだ。
 
日本酒は桝田酒造店「満寿泉」や吉田酒造店「手取川」を含む定番7種のほか、宮泉銘醸「冩樂」や新政酒造「亜麻猫スパーク」などその時々で替わる各地の名酒を常時18種類ほど揃える。書かれているのは銘柄、特定名称酒、都道府県、金額のみ。日本酒度や酸度といった表記は一切ない。これは「頭で考えず、旨い酒を楽しんでほしい」という想いによるものだ。ゆえに日本酒に馴染みがなくとも、質問すればスタッフが気さくに答えてくれる。「一見さんも大歓迎。いつ来てもほっとできるお店でありたいですね」と話す陽子さんの言葉を、店内を彩るたくさんの笑顔が物語っていた。

刺身の盛り合わせ×満寿泉 辛口(桝田酒造店)
キレがあり、飲み飽きしない満寿泉(420円)の風味が、刺身とよく合う。満寿泉も刺身の盛り合わせ(450円)も定番メニューで、刺身の魚は季節に応じて替わる
冷奴×伯楽星 純米吟醸(新澤醸造店)
「究極の食中酒」を目指す新澤醸造店の伯楽星(650円)は、どんな料理とも相性抜群。四谷の栗原豆腐店がつくる濃厚な冷奴(400円)の味わいも、きちんと楽しめる
漬け物の盛り合わせ×〆張鶴 月 本醸造酒(宮尾酒造)
白菜やショウガなどが入った漬物の盛り合わせ(400円)。スッキリとなめらかな〆張鶴(450円)が漬物の塩味を流すかのようで、酒飲みにはたまらない組み合わせだ
マカロニサラダ×雨降 KASUMI(吉川醸造)
甘みと酸味のバランスが絶妙なにごり酒(750円)と、マカロニサラダ(400円)のまろやかさがマッチ。マカロニサラダは、ポテトサラダと1日おきに交互に提供
タコさんウインナー×東洋美人 純米吟醸(澄川酒造場)
上品な香りとしっかりした旨みをもつ東洋美人(600円)は、食中酒として最適。懐かしさを感じるタコさんウインナー(400円)とともに、楽しい酒の時間を演出する
肉じゃか×手取川 山廃仕込 本醸造(吉田酒造店)
手間のかかる山廃で仕込んだ芳醇旨口の手取川(450円)。出汁の利いたコクのある肉じゃが(400円)と合わせれば、美味しさの相乗効果がより発揮される
メニューにあるどの日本酒も燗にできるが、おすすめメは櫻正宗。銅製の酒燗器に酒を注ぐと、湯で満たされた内部を通り、酒が温められて燗酒となる。優しい味わいの燗酒をお試しあれ

<酒のラインアップ>
【日本酒】
・菊姫 にごり酒(菊姫) 500円
・藍の郷 純米 花陽浴 地元バージョン(南陽醸造) 500円
・出羽桜 吟醸酒(出羽桜酒造) 600円
・櫻正宗 灘の生一本 純米酒 山田錦(櫻正宗) 600円
・澤屋まつもと 守破離 五百万石(松本酒造) 600円
・市野屋 特別純米(市野屋) 650円
・新政 亜麻猫スパーク(新政酒造) 1000円
・冩樂 純米吟醸 鈴傳別誂 剣愛山(宮泉銘醸) 1000円
 
【焼酎】
・一粒の麦(西酒造) 500円
 
【そのほか】
・瓶ビール 中(アサヒ) 470円
・角ハイボール(サントリー) 470円
・鳳凰美田 ゆず(小林酒造) 550円
・酒蔵の仕込み水(飯沼銘醸) 100円
など
 
※グラス1杯(日本酒の場合は1合)の価格を記載

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鈴傳があるのは四ツ谷駅から徒歩約2分の場所。向かって左側の扉が、スタンディングルーム鈴傳の入り口となっている

スタンディングルーム鈴傳
住所|東京都新宿区四谷1-10
Tel|03-3351-1777
営業時間|17:00〜20:30
定休日|土・日曜、祝日
http://suzuden-sake.com

text: Nao Ohmori photo: Atsushi Yamahira
Discover Japan 2024年1月号「ニッポンの酒 最前線 2024」

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