HOTEL

漢方薬膳懐石料理を味わえる
湯宿《はづ木》
作家・柏井壽さんの「心に残る」
上質な滞在を彩る名旅館の朝食

2023.7.4

漢方薬膳懐石料理を味わえる<br>湯宿《はづ木》<br><small>作家・柏井壽さんの「心に残る」<br>上質な滞在を彩る名旅館の朝食</small>

しつらえ、もてなし、夕食……名旅館の滞在の醍醐味は数あれど、滞在のトリを務めるのが朝食。名旅館ではどんな朝食を供しているのか。多くの名旅館を知る作家の柏井壽さんに、心に残る朝食を教えてもらいました。今回は、漢方薬膳懐石料理を味わえる湯宿「はづ木」を紹介します。

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朝食は和食寄りの献立。赤米ともち米を使用した粥、ゲストの目の前で豆乳からつくる桶豆腐、野菜の蒸し物、中華ちまきなど

連泊して、和と洋の朝食を愉しむのは贅沢の極みです。夕食はもちろんですが、朝食もまた、その宿ならではのものを味わいたいですね。愛知県湯谷温泉の宿「はづ木」は、薬膳料理で知られた宿ですが、朝食も薬膳らしい料理を愉しめます。
　
赤米ともち米を使って炊き上げたお粥は、白粥でも小豆粥でもなく、中華粥とも違う、独特の味わいで人気を呼んでいます。
　
お客の目の前で熱々の地元産豆乳を木桶に流し入れ、にがりと紅花、クコの実を加えてつくる桶豆腐も、この宿でしか味わえない朝食の逸品です。
　
これに中華ちまきや蒸し野菜などが加わった朝食は、旅の疲れを癒してくれます。

愛知県の山深く、鳳来峡の板敷川沿いにしっとりとした旅館が建ち並ぶ湯谷温泉は、開湯1300年の歴史を誇る名湯で、その中に建つ「はづ木」は、漢方を中心とした薬膳料理で人気を集める小さな湯宿。川音を耳にしながら入浴できる露天風呂も心地よく、自然に囲まれた空間は、心身ともに癒してくれる。数寄屋造りの宿でのんびりと過ごしたい。