日本屈指の名庭を擁する
気持ちのいい名宿《庭園の宿 石亭》
作家・柏井壽さんの「心に残る」
上質な滞在を彩る名旅館の朝食

しつらえ、もてなし、夕食……名旅館の滞在の醍醐味は数あれど、滞在のトリを務めるのが朝食。名旅館ではどんな朝食を供しているのか。多くの名旅館を知る作家の柏井壽さんに、心に残る朝食を教えてもらいました。今回は、日本屈指の名庭を擁する気持ちのいい名宿「庭園の宿 石亭」を紹介します。

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宮島の対岸に建つ宮浜温泉の「庭園の宿 石亭」でもまた、心に残る朝食が供されるのですが、やはり出汁巻き玉子が特に印象に残りました。

夕食は部屋出しですが、朝食は食事処でいただきます。旅の無事を願う意を込めて出される小豆粥も、ほっこりと美味しいのですが、お客の目の前でつくられる出汁巻き玉子は、出汁をたっぷり使っているせいか、箸で持てないほど軟らかで、そのためお椀で出されるのです。先述した、あさばに勝るとも劣らない出汁巻き玉子は一度食べると忘れられない味わいです。

出汁巻き玉子と並んで、宿の朝ごはんの定番とも言えるのは、干物と味噌汁ではないでしょうか。

宿酔気味の朝ごはんで、温かい味噌汁をひと口飲むと、胃に染み渡っていくようで、食欲がわいてきます。

瀬戸内の海を挟んで、安芸の宮島と向かい合う「庭園の宿 石亭」は、その名の通り、よく手入れの行き届いた日本庭園を囲むように、離れの客室棟が建ち並ぶ名宿である。宿の母体が、宮島口の人気駅弁“あなごめし”の「うえの」なので、料理には定評があり、穴子のほかに宮島名産の牡蠣を使った料理は絶品の誉れが高い。客室以外の快適な居場所が多いのもこの宿の特色。

【朝食のスタイル】
食事処（7:00〜10:00）
　
庭園の宿石亭
住所｜広島県廿日市市宮浜温泉3-5-27
Tel｜0829-55-0601
宿泊料金｜1泊2食付3万9600円〜（税・サ込）
客室数｜12室
IN｜15:00　OUT｜10:20、レイトチェックアウト12:00

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佐賀県《洋々閣》
 
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photo: Makoto Ito
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