南蛮の香り漂う
天草の文化を愉しむ宿
《石山離宮 五足のくつ》
作家・柏井壽さんの「心に残る」
上質な滞在を彩る名旅館の朝食

しつらえ、もてなし、夕食……名旅館の滞在の醍醐味は数あれど、滞在のトリを務めるのが朝食。名旅館ではどんな朝食を供しているのか。多くの名旅館を知る作家の柏井壽さんに、心に残る朝食を教えてもらいました。今回は、南蛮の香り漂う天草の文化を愉しむ宿「石山離宮 五足のくつ」を紹介します。

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夕食だけでなく、朝食の食材も地元のものにこだわっている宿も記憶に残ります。

アジアの風が吹く天草にある「石山離宮 五足のくつ」の朝食では、崎津集落のおばちゃんが手づくりした、鯵のみりん干しに強く惹かれました。

半生の鯵は身がふっくらとしていて、薄い焦げ目がなんとも芳ばしい味わいで、土産に買って帰りたくなるほど美味しい干物でした。

地元天草産のアオサを使った“アオサのあん”は自家製で、ご飯やお粥にかけて食べると、磯の香りが鼻に抜けてゆき、朝餉にふさわしい爽やかな味わいです。

この宿では朝も夜も食事処でとるのですが、ヴィラＣに泊まると、遠くに海を望むテラスで供される洋食も選ぶことができます。

熊本県の沖合に浮かぶ天草諸島は、日本でも九州でもなく、「アジアの天草」。古くは隠れキリシタンの里であり、異国情緒を随所に漂わせる天草にあって、「石山離宮 五足のくつ」は異色の温泉旅館として高い人気を誇っている。大浴場をもたず、全客室に露天風呂を備え、遠くに海を望みながら湯浴みできる宿は、美食の宿としても広く知られている。

【朝食のスタイル】
8:00〜10:00（L.O.）、ヴィラC〜11:00（L.O.）
※予約なしで好きな時間に利用可能

石山離宮 五足のくつ
住所｜熊本県天草市天草町下田北2237　
Tel｜0969-45-3633　
宿泊料金｜1泊2食付3万8650円〜
（税・サ込、入湯税150円込）
客室数｜15室
IN｜15:00　OUT｜11:00、ヴィラC12:00

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愛知県《はづ木》
 
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photo: Makoto Ito
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