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山伏たちが命懸けの修行を行った
「日本三大修験道」
《いま行くべき神社ガイド》

2023.10.5
山伏たちが命懸けの修行を行った<br>「日本三大修験道」<br><small>《いま行くべき神社ガイド》</small>
写真提供=一般財団法人 奈良県ビジターズビューロー

日本全国には8万を超える神社があるといわれるが、中でもいま訪れるべき神社はどこなのか。宗教史研究家の渋谷申博さんに教えてもらった。
 
三大大仏、三大弁財天、三大稲荷、三大天神など日本の聖地は3つセットで語られることが多い。ここでは霊山に注目し、心身を清めてくれる3種類の「三大○○」を番外編として紹介しよう。最後は「三大修験道」。修験道は、日本古来の山岳信仰に密教や陰陽道などが混じった信仰のこと。修験者(山伏)は、霊山を道場として命懸けの修行を行った。

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①出羽三山[山形県]
3つの霊山からなる東北随一の霊場

出羽三山とは、月山(がっさん)・羽黒山(はぐろさん)・湯殿山(ゆどのさん)の総称。社伝によれば、聖徳太子のいとこ「蜂子(はちこ)皇子」が三山を修行場として開山した。平安後期には修験者が多く集まり、吉野や熊野と並ぶ修行道場に。中世以降、多くの寺院が建てられたが、明治の神仏分離を経て現在の「出羽三山神社」となる。
 
出羽三山神社(でわさんざんじんじゃ)
住所|山形県鶴岡市羽黒町手向字手向7
Tel|0235-62-2355
参拝時間|8:30〜17:00
参拝料|無料
www.dewasanzan.jp

②大峯山[奈良県]
1300余年前に開山された修験道発祥の地

写真提供=一般財団法人 奈良県ビジターズビューロー

大峯山は、文脈によって指す範囲が異なる。「大峯山寺」が建つ山上ヶ岳(さんじょうがたけ)を指す場合もあるが、通常はより広い範囲をいう。吉野山から熊野に至る山地全体を指すこともある。修験道の開祖とされる役行者(えんのぎょうじゃ)が、修験道の本尊「蔵王権現(ざおうごんげん)」の出現に遭った場所と伝えられ、修験道の根本聖地とされる。
 
大峯山寺(おおみねさんじ)
住所|奈良県吉野郡天川村洞川703 大峰山頂
Tel|0747-64-0001(龍泉寺)
参拝時間|6:00〜16:00
参拝料|無料

③英彦山[福岡県、大分県]
天照大御神の子が降臨した九州一の霊山

写真提供=福岡県観光連盟

天照大御神の子にあたる「天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)」が天下った地で、かつては「日子山」と表記。嵯峨(さが)天皇の仰せにより「彦山」、さらに霊元法皇の命によって「英彦山」となった。表記の変更は朝廷の崇敬の深さを示すもので、貴族や大名などもさまざまな寄付をした。中岳山頂には「英彦山神宮」の上宮がある。
 
英彦山神宮(ひこさんじんぐう)
住所|福岡県田川郡添田町大字英彦山1
Tel|0947-85-0001
参拝時間|9:00〜17:00
参拝料|無料
https://hikosanjingu.or.jp

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Discover Japan 2023年8月号「夏の聖地めぐり。」

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