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冴木一馬 写真展「As it flows」
ハナビストが写し出す唯一無二の”花火の表情”

2023.5.25
冴木一馬 写真展「As it flows」<br><small>ハナビストが写し出す唯一無二の”花火の表情”</small>

「ハナビスト」として活動する写真家・冴木一馬氏が、兵庫県尼崎市で花火の写真展「As it flows」を6月10日(土)~7月16日(日)まで開催する。国内外の花火を撮り続けて30年以上の冴木氏が写し出す、繊細な色彩が舞う花火の表情に注目だ。

ハナビスト
冴木一馬(サエキ・カズマ)
山形県鶴岡市出身。1957年10月16日生まれ。千代田デザイン写真学院ファッションデザイン科。アパレル会社へ就職後、脱サラしてカメラマンとして独立。さまざまな雑誌関係の仕事をつづけながら報道写真に方向づける。87年から全国の花火大会を撮影、2000年以降から海外の花火にも赴きトータルで約1400カ所以上を撮影。97年に花火師の資格を取得。撮影のみならず火薬を含めた花火の歴史や文化を記録、著書も多数。
http://saekikazuma.com/

私の存在がこの世から消えても時は永遠に続く

雪解けが始まるころ川は流れ、草花が芽吹く。自然界は季節の移り変わりでザワザワしている。決して逆らわず流れるまま。

人は雑草の中でもがいている。逆らおうとしても後ろから押されながらも生きていく。いや自然界の中で生かされているのかも知れない。間違いなく刻一刻と時間は過ぎていき人は老いて灰になり土へと帰る。目の前にある雑草を掴みながら、ある者は大木になり枝をたくさん作り実らす。

また、ある者は枯草となり朽ちていく。それでも必死にもがいて生かされる。どれも同じ人間だ。赤や黄色や青い光が目の前を通り過ぎれば一瞬にして闇の世界が舞い戻る。そして予期せぬことや思いもよらないことが突然と起こる。風に吹かれ雨に濡れ無意識の堕落に落ちるとき「フッ」と気付くのである。五感の全ての触手を最大限に延ばし大胆に行動すれば、また別のものがえてくる。眠りの苦悩から目覚めるとき捻じれた疑問が天使のように空から舞い降りてくる。そして堕落した世界にどっぷりと浸かり夜になればベッドに潜り込み暗闇の中、魂を抱きしめ眠りにつく。そこには凄まじいばかりの煩悩と欲求が不思議な世界を形作っている。

— 冴木一馬 —

常に思い通りにならないことを経験する

この展示会は、冴木氏が実験的な発想で撮影してきたさまざまな写真を展示。花火をモノクロで表現したり、無風状態で煙が滞留して花火が良くみえないものや、土砂降りの雨の中で撮影した花火、花火を見ている人たちのそれぞれの目線を撮影するなど、その時その瞬間でしか見ることのできない花火の表情を楽しめる。

飛躍した時間に追いつけない自分がいる

ひとつとして同じものがない、冴木氏が撮る花火景をぜひ、見に行ってみてはいかが。

読了ライン

As it flows 展
開催日|2023年6月10日(土)~7月16日(日)
営業時間|10:00~16:00
会場|尼信会館(尼崎信用金庫の私設博物館)1F展示室
住所|兵庫県尼崎市東桜木町3番地
Tel|06-6413-1121
入館料|無料
休館日|月曜日・祝休日(土曜日・日曜日が重なる場合は開館)
※会期中の休館日は6/12,6/19,6/26,7/3,7/10
https://www.amashin.co.jp/kaikan/index.html

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