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福井県(大野市/勝山市)
白山の地に脈々と流れる、清らかな水と祈りの巡り旅

2022.11.27 PR
<small>福井県(大野市/勝山市)</small><br>白山の地に脈々と流れる、清らかな水と祈りの巡り旅
白山信仰の拠点でもあった白山平泉寺。長く緩やかな石段を進むと、神々しいまでに苔むした合間に拝殿が佇む

石川・福井・岐阜3県にまたがりそびえ立つ白山。
標高2702m超の御前峰(ごぜんがみね)をはじめ、大汝峰(おおなんじみね)、別山(べっさん)の3峰を中心としたこの山岳は、古くより神が宿る霊山として信仰を集め、麓の町や村に豪雪をもたらした。その山頂へと至る道のうち、福井県からのルート「越前禅定道(えちぜんぜんじょうどう)」は、最初に開かれたために「白山本道」とも呼ばれる。その登拝口の周辺、豊富な雪解け水や湧き水が里をうるおし、清らかな水とともに人々が暮らしを営む“水の町”を訪ねた。

〈国史跡 白山平泉寺 旧境内〉
創建は白山を開いた泰澄大師
越前側の入口として繁栄を極めた

境内参道脇の御手洗池(みたらしいけ)は、泰澄大師が白山権現の化身と出会ったとされる場所。

霊峰白山を開山した泰澄大師(たいちょうだいし)が、717(養老元)年に創建。泰澄大師が、白山の山頂を目指す途中で見つけた池のほとりで祈祷をすると白山の神が現れ、その導きによって山頂へ至ることができたと伝わる。境内にはその池とされる御手洗池が今も水をたたえる。平安時代より白山登拝の越前側の入口として栄え、戦国時代の最盛期には48社36堂、6000もの僧坊が立ち並ぶ白山信仰の拠点であったが、1574(天正2)年、一向一揆の兵火により全山を焼失。拝殿近くに残る巨大な礎石などから当時の大きさがしのばれる。

本社へと続く真っ直ぐに延びる苔むした参道。一部には、約百年前に僧侶らが九頭竜川から石を運んで造ったとされる石畳が残る

国史跡 白山平泉寺 旧境内(はくさんへいせんじ きゅうけいだい)
住所|福井県勝山市平泉寺町平泉寺
Tel|0779-88-8117(勝山市商工文化課)
拝観時間|境内自由
定休日|なし
http://heisenji.jp

〈一本義久保本店〉
白山に連なる山の伏流水で醸す
透明感とキレが身上の勝山の地酒

(右)一本義 辛口純米酒 720ml/1375円、(左)一本義 第一義締 720ml/11000円。背景は蔵元の主屋だったという趣ある建物

勝山藩の御用酒「一本義」の銘を受け継ぐ酒蔵「一本義久保本店」。南部流酒造りを骨格としつつ奥越前の風土に即して磨き上げられた醸造技術で、勝山の人々が長年愛飲する「辛口でキレがある」酒を醸してきた。仕込み水は、白山に連なる山の一つである法恩寺山(ほうおんじさん)の伏流水。硬度は何と27mg/Lという超軟水だ。この水が「みずみずしく、飲み飽きない」味を生み出すという。酒米は、一大生産地である地元奥越前産のみを使用。コシヒカリを生んだ、福井県農業試験場の開発した新品種「さかほまれ」から醸す、大吟醸酒も2022年から販売開始。

貯蔵庫のタンクでは、醸された酒が飲み頃になるまで静かに熟成される。「10月下旬に、ちょうど初搾りを終えたばかり」と杜氏の大井信積さん

一本義久保本店(いっぽんぎくぼほんてん)
住所|福井県勝山市沢町1-3-1
Tel|0779-87-2500
https://www.ippongi.co.jp

勝山酒舗(かつやましゅほ)
住所|福井県勝山市沢町1-7-31
Tel|0779-87-6222
営業時間|9:30~18:30
定休日|土・日曜・祝日

〈扇屋〉
福井の豊かな旬の食材と
名水から生まれる会席料理に舌鼓

夜の献立から、(右上)上庄里芋を使った「里芋の煮っころがし」、(左上)厚揚げ焼き、(下)地元産の味噌をのせた「里芋の田楽」

織田信長の部将・金森長近の入封以来、400年以上続いた城下町・大野は、至る所で清らかな湧き水が湧き出る「水の町」でもある。そんな湧き水の中でも特に名高いのが、名水百選にも選ばれた「御清水(おしょうず)」だ。その目と鼻の先で約70年前から宿を営むのが「扇屋」。御清水をはじめとする豊かな地下水と、地元食材を使った季節の会席料理が評判だ。夏は地元の清流で獲れる鮎、秋は地元特産のブランド芋「上庄里芋」、冬は越前ガニなど、四季折々の旬の味覚が楽しめる。最上階には、天空の城としても知られる越前大野城を望む男湯を備える。

武家屋敷の面影を伝える建築。敷地内には日本庭園が2箇所あり、今も湧き水が絶えない池もあるという

扇屋
住所|福井県大野市泉町6-10
Tel|0779-65-5858
客室数|15室
料金|1泊2食付1万2100円~(税・サ込)
カード|DC、JCB、Master、NICOS、VISA、UCなど
IN|15:00 OUT|10:00

〈宝慶寺〉
曹洞宗の第二道場と呼ばれる
山懐に抱かれた修行の寺

湧き水が湧く裏山の高台からは、法堂(はっとう)と開山堂が重なるように見える。開山堂には開山・寂円禅師の木像を安置

越前大野城を中心とする大野市街から約12km、標高1,440.7mの銀杏峰(げなんぽ)の麓に佇む曹洞宗寺院。名刹・大本山永平寺に次ぐ曹洞宗の第二道場として、現在も日夜僧侶らが坐禅などに励む。開山は南宋出身の僧・寂円で、鎌倉時代、のちに曹洞宗の開祖となった道元禅師が禅の教えを学ぶため南宋へと渡った際に知り合い、その人柄を慕って来日したと言われる。禅寺らしい荘厳な空気に包まれる境内には、本尊を祀る法堂をはじめ、坐禅を行う僧堂、歴代住職のお位牌を祀る開山堂など伽藍が点在。近くには国指定の重要文化財である旧家を移築した「旧橋本家住宅」も。

総欅造の法堂。堂内には本尊の釈迦三尊像が安置され、毎日「朝課(ちょうか)」・「日中(にっちゅう)」・「晩課(ばんか)」の法要が行われる

宝慶寺(ほうきょうじ)
住所|福井県大野市宝慶寺1-2
Tel|0779-65-8833
拝観時間|8:00~17:00
拝観休止日|なし

まだある勝山市・大野市
「祈りと水の」旅スポット
〈名水手打そば お清水〉

名水として名高い「御清水」が湧く場所から数十メートルと近くにある。名水だけでなく、香り豊かな大野市産のそば粉を使用した、舞茸天ぷらおろしそば(写真・900円)などが人気。ほか大野市産コシヒカリを使った丼物なども蕎麦と並んで好評だ。
地元産の醤油をベースにした自家製醤油ダレを使う、おろし醤油カツ丼(850円)。夜、営業スタイルを居酒屋に変更してからも蕎麦や丼ものの注文OK

名水手打そば お清水
住所|福井県大野市泉町3-8
Tel|0779-66-2595
営業時間|11:00~14:00、17:30~23:00(最終入店20:00)、日曜祝日17:30~22:00(最終入店20:00)
定休日|水曜、月曜・第3日曜の夜
https://m.facebook.com/100034989323593/

〈料亭旅館 板甚〉

かつて城下町の中心で、伝統的な街並みが残る本町通りで、約400年の歴史をもつ老舗旅館。国登録有形文化財の蔵座敷や、食事処として再生した約200年前の武家屋敷といった建物をはじめ、館内の諸所を彩る調度品や美術品が江戸時代以来の歴史を物語る
約300年前に豪農が勝山藩主をもてなした際の献立を再現した「殿様料理」も魅力

料亭旅館 板甚
住所|福井県勝山市本町2-5-14
Tel|0779-88-0020
客室数|10室
IN|16:00~19:00 OUT|10:00
https://itajin.com

〈福井県立恐竜博物館〉

年間90万人以上の観光客と多くの研究者らが訪れる「福井県立恐竜博物館」。その始まりは1982年にワニ形類の全身骨格が発見されたことによる。その後、1989年には第一次恐竜化石発掘調査が始まることに。ドーム型の建物は建築家・黒川紀章が設計
「恐竜の世界」「地球の科学」「生命の歴史」に分けられた各ゾーンには恐竜全身骨格や化石、ジオラマ、復元模型などを進化の過程やジャンルごとに展示。発掘後の化石を岩石から取り出す作業が間近で見られる化石クリーニング室なども見どころ。2023年夏にリニューアルオープン予定だ

福井県立恐竜博物館
住所|福井県勝山市村岡町寺尾51-11
Tel|0779-88-0001(代表)
営業時間|9:00~17:00(最終入館16:30) ※予約制
休館日|第2・第4水曜 ※2022年12月5日から2023年夏まで臨時休館
料金|一般730円、高大生420円、小中生260円

〈九頭竜湖〉

九頭竜ダムで九頭竜川がせき止められてできた人造湖。紅葉や桜の名所として知られるほか、周辺にはキャンプやカヌーやカヤックなどを楽しめる場所も充実している。湖を一望できる「夢のかけはし」(箱ケ瀬橋)は、瀬戸大橋のモデル橋として建設されたもの

九頭竜湖
住所|福井県大野市箱ヶ瀬(九頭竜川上流)
Tel|0779-65-5521(大野市観光協会)
https://www.ono-kankou.jp/tourism/detail.php?cd=55

〈モモンガコーヒー〉

世界中から厳選した豆を自家焙煎し、地元・大野の名水で煎れるコーヒー専門店。大野の水の美味しさを最大限に引き出す焙煎をモットーに、「モモンガブレンド」をはじめ、月限定のコーヒーやエスプレッソドリンクなど、100種類以上のコーヒーを提案している。

モモンガコーヒー
住所|福井県大野市元町8-17
Tel|0779-64-4105
営業時間|10:00~18:00
定休日|月・火曜、第3日曜
https://www.momongacoffee.com

〈真名鶴酒造〉

名水「御清水(おしょうず)」と米、酒造りに最適な気候に恵まれた銘醸地・大野で270余年の歴史をもつ老舗蔵元。吟醸規格の高級酒を専門に全量を手造りしている。輸出専用の「mana1751」シリーズ(写真)は、酒造本社と限られた専門店でのみ購入できる逸品

真名鶴酒造
住所|福井県大野市明倫町11-3
Tel|0779-66-2909
営業時間|9:00~18:00
定休日|日曜、祝日
http://www.manaturu.com

白山の清らかな水と祈りで巡る旅へ!

白山の地に脈々と流れる清らかな水と祈りの旅に出掛けませんか? 環白山地域に昔からある白山信仰は、清らかな水と人々の信仰あってこその、この土地ならではのコンテンツです。今回、Discover Japanが一部企画監修。環白山エリアをぐるっと巡る、清らかでテロワールを感じられる2泊3日の旅をお楽しみください。

 


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