天皇の生活を「清涼殿」でこっそり拝見!
寝室からオフィスルームまで
紫宸殿の北西にあり、天皇が日常を過ごす場所として、平安時代中期から安土桃山時代まで使われていた清涼殿。一部には、日中に群臣と対面したり、儀式などを行うオフィス的な部屋「昼御座」があるものの、そのほかは住居らしい部屋が揃う。
残念ながら、一般参観で見られるのは「昼御座」を中心としたオフィス部分だけだが、この部屋の御座の後ろに見える「御帳台」に注目。ここは絹製の垂れ布であるの中で、天皇がしばし疲れを癒したといわれる休憩室的なスペース。
「昼御座」のすぐ隣には、非公開スペースの寝室の「夜御殿」、ダイニングの「朝餉の間」、洗面所にあたる「御手水の間」といった現代の暮らしにも欠かせない部屋が並ぶ。
この清涼殿は1855(安政2)年に再建されたもので、実際に天皇が暮らしたことはないが、御所内で最も平安時代の天皇の暮らしを鮮やかに伝えてくれる建築物であることは間違いない。
京都御所
住所|京都市上京区京都御苑3
Tel|075-211-1215(受付時間:8:30~17:15)
入場時間|入場時間は季節で変動、ウェブページを確認 ※予約不要の通年公開(入場料:無料)
休止日|月曜(祝日の場合は翌日休)、年末年始 ※臨時休止日あり。詳細はウェブページを確認
※無料ガイドツアーは、1日4回実施(9:30~、10:30~、13:30~、14:30~)。予約不要。参観者休所に集合
https://sankan.kunaicho.go.jp
文=白木麻紀子 写真=宮内庁京都事務所、中田昭
2019年10月号 特集「京都 令和の古都を上ル下ル」
《日本の流れがよくわかる!20人の天皇で読み解く日本史》
歴史を動かした20人の天皇
第26代 継体天皇
第38代 天智天皇
第40代 天武天皇
第45代 聖武天皇
第50代 桓武天皇
第59代 宇多天皇
第66代 一条天皇
第72代 白河天皇
第77代 後白河天皇
第82代 後鳥羽天皇
第88代 後嵯峨天皇
第96代 後醍醐天皇
北朝初代 光厳天皇
第100代 後小松天皇
第106代 正親町天皇
第108代 後水尾天皇
第119代 光格天皇
第121代 孝明天皇
第122代 明治天皇
第124代 昭和天皇