【漫画】第72代「白河天皇」
|20人の天皇で読み解く日本史
126代目の天皇が誕生した2019年。今も昔も日本の歴史は天皇がつくってきたといっても過言ではありません。天皇に焦点を当ると、これまでとは違う日本の姿が見えてくるはず。今回は、40年以上も続く院生を行った、白河天皇を紹介します。
第72代 白河天皇(しらかわてんのう)
生没年|1053–1129年
在位|1072(20歳)-1086(34歳)年
父| 後三条(ごさんじょう)天皇
母| 藤原茂子(ふじわらのもし)
妻| 藤原賢子(ふじわらのけんし)
専制君主として君臨し
100余年続く院政を確立
白河天皇は、摂関家から政治の実権を奪い、天皇家の家長という立場で40年以上も続く院政をはじめた天皇だ。これまでにも上皇になった天皇はいたが、院政として長く権力をもったのは白河天皇からで、72代白河から82代後鳥羽上皇までが院政の最盛期とされる。
院政の特徴は「治天の君」と呼ばれる上皇・法皇が、天皇の父や祖父の立場で政治を主導すること。治天の君は、院(上皇や法皇の居住場所)で優秀な側近を登用し、思いのままに政治を行ったことから、ここに中下級貴族や武士が政治に参画する道が開かれた。後に武家政権を樹立した平家も、院の家臣として力を蓄えていたのだ。
白河は強烈なキャラクターでも知られる。「祭事が雨で何度も延期されたことに怒り、雨水を獄舎に閉じ込めた」、「この世で思い通りにならないのは賀茂河の水、双六の、(比叡山の)山法師の3つだけと豪語する」など、その人となりを表す逸話には枚挙にいとまがない。
Point1
『平家物語』に描かれる
八坂神社の忠盛灯篭
白河法皇が祇園女御に会うため八坂神社の近くを歩いていたとき、火を灯そうとする社僧を鬼と見間違えた逸話が伝わる。
〈天皇ゆかりの地〉
あじさいの名所宇治の花寺
「三室戸寺」
光仁天皇の勅願により創建。光仁、花山、白河と三帝の離宮になったことから、「御室戸」から「三室戸」と称するように。
三室戸寺
住所|京都府宇治市莵道滋賀谷21
Tel|0774-21-2067
www.mimurotoji.com
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supervision: Hirofumi Yamamoto text: Akiko Yamamoto, Mimi Murota illustration: Minoru Tanibata
Discover Japan2019年6月号「天皇と元号から日本再入門」