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kudan house《九段ハウス》に、石上純也の作品を眺む夏期限定レストラン「メゾンアウル・プロローグ」がオープン。

2021.7.1
kudan house《九段ハウス》に、石上純也の作品を眺む夏期限定レストラン「メゾンアウル・プロローグ」がオープン。

東京九段下の歴史ある邸宅「kudan house(九段ハウス)」にて、建築家・石上純也氏の作品「木陰雲」が展示される、2021年7月1日(木)〜9月5日(日)期間中、レストラン『maison owl PROLOGUE(メゾンアウル・プロローグ)』がオープン。

2021年秋に開業を控える、山口県宇部市の石上純也設計 洞窟のようなレストラン『maison owl』の「シェフの隠れ家にゲストを招く」というコンセプトに加え、庭園に広がる石上純也氏の作品「木陰雲」を眺めながら、1日3組限定でディナーを楽しんでいただけるレストラン。

料理は、作品「木陰雲」の特徴となる焼杉の黒、山口県の食材、夏、kudan houseの建築様式からインスピレーションを受けた要素を、フランス料理で表現。

kudan house(九段ハウス)
1927年竣工。設計は内藤多仲氏、木子七郎氏、今井兼次氏。登録有形文化財である<旧山口萬吉邸>をリノベーションした会員制のビジネスイノベーション拠点。次世代のビジネスリーダー層を対象としたビジネスサロンの開催や会員企業の研修会、オフサイトミーティングなどの場として利用されている。https://kudan.house/

石上純也氏設計
「木陰雲」

石上純也氏設計の「木陰雲」は、2021年7月1日(木)〜9月5日(日)まで、「Tokyo Tokyo FESTIVAL スペシャル13」の一環として実施される「パビリオン・トウキョウ2021」の作品の一つ。石上純也氏を含む世界各地で活躍する建築家設計のパビリオンを、未来の建築やアートとして紹介するプロジェクト。作品「木陰雲」は期間中、kudan house庭園に展示される。

石上純也さんからのコメント
九段下に昭和2年、実業家の山口萬吉によって建てられた古い邸宅がある。設計には東京タワーの構造計画をおこなった内藤多仲も関わっている。この邸宅の美しく古い庭に2021の夏期限定で、日差しを柔らかく遮る日除けを計画する。

新しく計画される日除けが、歴史ある風景に溶け込むように、新築であるにも関わらず、はじめから古さを含み持つようにと考えた。具体的には、木造の柱と屋根を庭いっぱいに計画し、その構造体を焼き杉の技術を用いて焼いていく。様々に火力を調整しながら、杉の表面を炭化させ、場所によっては構造体そのものを焼き切る。庭に広がる木の構造体が、既存の庭に生い茂る老木を避けるように、焼かれながらしなやかに形状が整えられていく。炎で炭化した真っ黒の構造体は、廃墟のような趣もある。新築から廃墟の状態に、瞬時に駆け抜け変化したようでもあり、建築が経年によって得られる移り変わりを一気に獲得したかのようだ。

昭和初期の時代にはまだ存在していなかった周りの高層建築を黒い構造体が覆い隠し、構造体に開けられた無数の穴からの無数の光の粒が、樹木からの木漏れ日と混ざり合う。樹木の間から覗く現代の風景は消え去り、夏の強い日差しは和らぎ、訪れる人々はこの庭のなかに流れる古い時間とともに過ごす。真っ黒の構造体は、夏の午後に老木の間を漂う涼し気な影である。

パビリオン・トウキョウ 2021
https://paviliontokyo.jp/

©CHIKASHI SUZUK

建築家
石上純也(いしがみ・じゅんや)
東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修士課程修了後、妹島和世建築 設計事務所を経て2004年石上純也建築設計事務所を設立。

主な作品に、神奈川工科大学KAIT工房、神奈川工科大学KAIT広場、 Vijversburgビジターセンター(オランダ)、ボタニカルガーデンアートビ オトープ/水庭、2019年サーペンタイン・ギャラリー・パビリオン、モ スクワ科学技術博物館の増改築(ロシア・モスクワ)など。

2018年パリ カルティエ財団現代美術館でJunya Ishigami Freeing Architecture 自由な建築展。2009年日本建築学会賞(作品)、2010年ヴェ ネチア・ビエンナーレ第12回国際建築展金獅子賞、2010年毎日デザイン賞、2019年Obel Awardなど受賞多数。

2021年秋開業 建築家・石上純也設計
洞窟のようなレストラン『maison owl』

1万年前からありそうで、 1万年後にもそこにありそうな
『maison owl(メゾン・アウル)』は、「シェフの隠れ家にゲストを招き、ロマンを感じる時を過ごしていただきたい」という思いで造る“まるで洞窟”のような空間。隠れ家には、1日1組限定で泊まることもできる。

「時間の重みをもともと含み、時間とともにその重さが増していくようなものを。」というシェフ の思いで2013年から構想が開始。これまで、パリ「カルティエ財団現代美術館」での大規模個展はじめ、ニューヨーク「ニューヨー ク近代美術館(MoMA)」、ローマ、ロンドン、上海、東京などでこのプロジェクトが紹介されていて、世界中から注目が集まるプロジェクト。

©SatoruEMOTO@SARUTO Inc.

「maison owl」オーナーシェフ
平田基憲(ひらた・もとのり)
1975年生まれ、山口県宇部市出身。東京で料理の道に目覚め、27歳で帰郷し、「restaurant noel」を開業。独学と研鑽を重ねる。「restaurant noel」は18年続くアットホームな雰囲気のフレンチレストラン。2009年・2010年食べログ選出ベストレストラン。「ミシュラ ンガイド」と並び強い影響力を持つ、フランス発祥のレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」にも掲載。「普遍的な魅力のある料理を」というコンセプトのもと、フレンチの古典を受け継ぎ、素材を丁寧に味わう食事を振る舞う。

maison owl PROLOGUE(メゾンアウル・プロローグ)
住所|東京都千代田区九段北1丁目15−9 kudan house 1階
期間|2021年7月1日(木)〜9月5日(日)
営業時間|17:00~20:00(ディナー 19:00 L.O.)
※政府や自治体からの要請で変更する場合あり。
定休日|月曜日
料金|コース1名 2万4000円(消費税込・サービス料別途)
予約・問合せ|080-9455-5399(12:00~16:00)※事前予約制
http://maison-owl.com/


 

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