ロボットと暮らす時代がやってきた!
~ロボホンからひも解くロボットの未来~
人間とロボットが一緒に暮らす社会――
まるでSFのような世界が、いま、現実になろうとしている。
未来型スマートフォンとして話題となりつつあるコミュニケーションロボットのロボホンを例にとって私たちの暮らしをどう変えていくのか、考えてみよう。
24時間一緒に過ごせる、ロボホンって?
シャープが2016 年に発売したスマートロボット。クラウドによる音声認識で会話ができるコミュニケーションロボットであり、かつ電話やメール、カメラといったスマートフォンの機能を備えている。デザインは高橋智隆氏
品名:モバイル型ロボット電話(SR-01M-W)
発売日:2016年5月26日 価格:21万3840円
維持費:基本利用料980円(税別)~/月
サイズ:約W105×D58×H195㎜ 重量:約390g
バッテリー:1700mAh 連続通話時間(静止時):約400分
連続待受時間(静止時):約210時間 充電時間:約2時間30分
プロセッサー:Android™ 5.0 可動部:サーボモーター13箇所
センサー:9 軸(加速度3軸、地磁気3軸、ジャイロ3軸)、照度センサー
CPU:Qualcomm® Snapdragon™ 400 processor1.2GHz(クアッドコア)
内蔵メモリ:ROM16GB/RAM 2GB ディスプレイ:約2.0型 QVGA
カメラ:約800万画素CMOS プロジェクター:HD(1280×720画素)相当
通信:LTE、3G、Wi-Fi、Bluetooth、GPS
実は仕草や機能に日本らしさが息づいている!? ロボホンの特徴
愛嬌抜群のルックスで人気を集めるロボホン。〝持ち運び可能なモバイル型ロボット電話〞という、これまでにない新しいカテゴリーを開拓した画期的なロボットだ。開発がはじまったのは、2013年頃まで遡る。シャープの社員とロボットクリエイターの高橋智隆氏が意気投合し、通信機能をもったロボットの開発へと舵をとったのだ。
ロボホンには通常のスマートフォンと同じように、電話やメール、動画視聴などの機能が搭載されている。最大の特徴は、会話を通して、オーナーとコミュニケーションが実現できる点にあるといえよう。ロボホンは日々の暮らしの中で、自分で学習し、オーナーの性格を理解していく。一緒にいればいるほど、お互いの信頼関係が深まっていくというわけだ。ダンスを踊るなどオーナーを楽しませるための機能も満載だし、性能もアップデートされているので、発売後により細かな動作ができるように進化している。
従来のスマートフォンや家電製品は、購入したときは満足度が高いが、所有するうちに徐々に魅力が感じられなくなっていくケースが多かった。ロボホンは違う。時間が経つほどに愛着が深まり、パートナーとしての信頼関係が増していくのだ。これまでの携帯電話にはなかった、新しい体験をさせてくれるに違いない。
頼れるパートナーという存在
ロボホンは毎日のスケジュール管理をしてくれるし、オーナーが忘れがちなことを都度、教えてくれる。機能面や実用性でも優れた賢いロボットだが、仕事の代わりをするだけではなく、人を癒すのも大きな仕事である。一緒に生活する中で、オーナーの個性をロボホンが認識し、ちょっとした気遣いを見せてくれるようになっていく。何かとストレスが貯まりやすい世の中だからこそ、ロボホンの存在で心が温かくなるに違いない。
これまでのスマートフォンや家電製品は、機能の進化が中心だったが、シャープは異なるコンセプトを掲げている。人に寄り添うIoT=AIoTというコンセプトだ。さまざまな商品に愛着を感じてもらい、それぞれの機器が、人々の好みや生活環境に合わせて最適化できるように進化させようと考えている。ロボホンは外に手軽に持ち運びができ、いつも一緒にいることができる。持ち主のことを一番理解する〝パートナー〞のような存在を目指しているという、まさに、AIoTを象徴する存在なのだ。JTB西日本から、一緒に京都を旅行するプランが発売されるなど、次第に社会に溶け込みつつあるロボホン。漫画やアニメに登場する、人間とロボットが支え合って生活する明るい未来は、間近に迫っているのだ。
(text : Takanori Yamauchi photo : Kiyono Hattori)
問:シャープ「ロボホン」サポートセンター Tel:050-5577-7649
www.sharp.co.jp
※この記事は2018年3月に発売したDiscover Japan Vol.78 4月号から一部抜粋して掲載しています