中川政七商店がつくる複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」4月14日グランドオープン!
1716年創業の奈良の老舗・中川政七商店が、初の複合商業施設「鹿猿狐ビルヂング」を4月14日(水)にグランドオープン。約126坪の敷地面積に3階建ての同施設を設計するのは、日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏。施設内には、創業の地に満を持して構える旗艦店「中川政七商店 奈良本店」、関西初出店となるスペシャルティコーヒー店「猿田彦珈琲」、ミシュラン一つ星掲載店による初のすき焼き店「㐂つね(きつね)」、まちづくりの拠点となるコワーキングスペース「JIRIN(じりん)」を展開する。
また近隣の「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」もリニューアル。歴史をアーカイブ展示する「時蔵」や手績み手織り麻のものづくりに触れられる「布蔵」は、築100余年の町家の貯蔵庫を改装した。このほか、手績み手織り麻の絵はがきを制作するワークショップや、麻生地づくりの道具に触れられるツアーなど、奈良の工芸や歴史、文化に触れる体験型コンテンツを用意。3階の「JIRIN」では、中川政七商店が企画する経営講座やトークイベントなど、奈良での創造的な活動を支援するプログラムも開催予定となっている。
中川政七商店がつくる、新しい奈良の拠点
江戸時代中期、中川政七商店は麻織物「奈良晒」の問屋として奈良に創業し、日本の工芸をベースにした生活雑貨をつくり続けてきた。その中で、近年進めてきた産業観光の取り組みを、創業の地である奈良で実現すべく、まちづくりの拠点となる複合商業施設のオープンに至ったというわけだ。
コンセプトは、“路地を巡り出会う、触れ、学び、味わう奈良”。この場所でしかできない買い物や飲食、ワークショップなど様々な体験型コンテンツを用意し、奈良に暮らす方および国内外から訪れる人々が、より一層奈良の魅力を感じられる拠点を目指している。
建築家 内藤廣氏が、街並・伝統・現代・近未来を表現
約126坪の敷地面積に3階建ての同施設を設計するのは、日本を代表する建築家の一人、内藤廣氏。開放的なガラス窓と周囲の街並みを活かした瓦屋根が特徴の建物の中央には、中庭とそこにつながる新たな路地が創られ、古きよき趣が残る「ならまち」の風景に溶け込んだ新たな空間が生まれた。
「まず考えたのは、街並・伝統・現代・近未来を建築として表現する、ということです。屋根を瓦葺きにし、通りに面した軒庇を細かく分節化して、ファサードを街並みと違和感がないように作り込んでいます。建物は3階建てなので鉄骨造ですが、この架構には高度な現代技術を駆使しています。柱間の寸法を伝統的な建物で使われる3.6m(二間)にして柱を細くすることができたので、内部の空間も周りの木造の建物の空間に調子を合わせた雰囲気になるはずです」。
「街並みに合わせた瓦屋根と現代技術を駆使した繊細な鉄骨造、これがわたしたちが目指したこの建物の特徴です。でも街それ自体がそうであるように、建物はここでの飲食やお店などのさまざまな活動が営まれる背景でしかありません。歴史を紡いできたこの街の一角から、近未来を感じ取れるような「今」という背景を生み出すことができたら、と思っています」。
【触れる】創業の地 奈良で、原点、軌跡、今を巡る
中川政七商店 奈良本店(1、2 階)
創業の地に満を持して構える旗艦店は、中川政七商店の原点、軌跡、今を巡れる場所。創業の商いである手績み手織り麻のものづくりに触れられる「布蔵」や、300余年の歴史をアーカイブ展示する「時蔵」、そして800を超えるつくり手と生み出す約3000点の商品に出会える「中川政七商店 奈良本店」。300年の歴史が紡いできた、いまの暮らしに寄り添う暮らしの道具を手に取って触れられるとともに、本店でしか購入できない限定品など奈良を訪れる記念となるような商品が用意されている。施設全体を通して、中川政七商店がつくる暮らしの道具の根底にある、奈良という土地から生まれた価値観や美意識を伝えている。
【味わう】歴史的街並みの中で、究極の一杯を楽しむ
猿田彦珈琲(1 階)
「たった一杯で、幸せになるコーヒー屋」をモットーに、東京・恵比寿にて創業したスペシャルティコーヒー専門店。創業者である大塚朝之氏が自ら厳選した高品質のコーヒー生豆を、独自の知見と技術を生かし、焙煎から抽出までこだわりと誇りをもって提供してくれる。関西初出店となる同店は、開放的なガラス窓に面した空間が特徴。古きよき趣が残る街並みの中で、こだわりの一杯を。
【味わう】温故知新のすき焼きと弁当を味わう
㐂つね(1 階)
東京・代々木上原にあるミシュラン一つ星掲載店「sio」による初の、すき焼きをメインにコースで楽しめるレストラン。観光の合間やランチ代わりに気軽に楽しめるように、お弁当のテイクアウトも用意されている。
【学ぶ】奈良の工芸に触れる体験
手績み手織り麻の絵はがきを制作するワークショップや、麻生地づくりの道具に触れられるツアーなど、奈良の工芸や歴史、文化に触れる体験型コンテンツを用意。
<コンテンツ例>
・麻生地にステンシルを施し、オリジナルはがきを制作
・麻生地づくりの道具を実際に触り、使うことでものづくりの工程や奥深さを体験
【学ぶ】まちづくりの礎になる学びの場
3階の「JIRIN」は、中川政七商店による初のコワーキングスペース。奈良に魅力的なスモールビジネスを生み出す「N.PARKPROJECT」の拠点として誕生した、共に働き、共に学ぶ場です。興福寺の五重塔を臨む窓が広く心地よい空間には、BACH・幅允孝氏が選書したライブラリも用意。中川政七商店が企画する経営講座やトークイベントなど、奈良での創造的な活動を支援するプログラムを開催予定。
https://n-park-project.jp/jirin/
近隣施設
鹿猿狐ビルヂングとともに巡っていただけるよう、築100余年の町家を活かした近隣施設も店内をリニューアル。「遊 中川 本店」では日本の染織技術に支えられた服や服飾小物などが四季折々に並ぶ。「茶論 奈良町店」では観光の合間にほっと一息過ごせる喫茶を、また貯蔵庫を改装した「時蔵」「布蔵」では、中川政七商店の歴史を体験いただけるコンテンツを用意している。
遊 中川 本店
中川政七商店初の直営店として1985年にオープンした空間は、「中川政七商店 奈良本店」の一部としてリニューアル。
茶論 奈良町店
茶道の新しい楽しみ方・学び方を提案する「茶論」は、季節の美味しいお菓子・選りすぐりのお茶を提供。
時蔵・布蔵
中川政七商店の300年の歴史がアーカイブされる「時蔵」と、手績み手織り麻の道具に触れられる「布蔵」を公開。
これまでの奈良、そして、今の奈良を感じてみてはいかがだろうか。
鹿猿狐ビルヂング
オープン日|2021年4月14日(水)
住所|奈良県奈良市元林院町22番
アクセス|近鉄奈良駅より徒歩7分
店舗|中川政七商店 奈良本店、猿田彦珈琲、㐂つね、JIRIN
※近隣に「遊 中川 本店」「茶論 奈良町店」「時蔵」「布蔵」あり
https://nakagawa-masashichi.jp/shikasarukitsune/
≫中川政七さんが奈良旅で出合った、進化を続けるものづくり【前編】