「ア・ニュ」下野昌平シェフ御用達のお取り寄せ&レシピ
「大島農園」の野菜でつくるココット蒸し
トップシェフにとって、信頼できる生産者の存在は欠かせないもの。有名店のトップシェフに、御用達のお取り寄せ食材と家庭でできるレシピを教えてもらう《トップシェフ御用達のお取り寄せ&レシピ》。今回は広尾「ア・ニュ Shohei Shimono」の下野昌平シェフに、長野・大島農園の野菜を使ったレシピを紹介してもらいました。
「互いに相談し合えるツーカーな関係」
ア・ニュ Shohei Shimono オーナーシェフ
下野昌平(しもの・しょうへい)さん
大阪辻調理師学校・仏校で学び、六本木「ヴァンサン」、西麻布「ル・ブルギニオン」スーシェフを経て渡仏。「トロワグロ」、「タイユヴァン」で腕を振るった後、帰国。2009年に開店した広尾「ア・ニュ ルトゥルヴェ・ヴー」でミシュランのスターシェフに。2019年8月、現在の店舗にリニューアルした
「大島農園」の野菜は、もう10年近く使わせてもらっています。中央アルプスの山々を望む長野県中川村で、“まじめ一徹”な大島太郎さんが育てる野菜は、年間100種類以上。旬のものやおすすめの野菜を送ってもらっていますが、トマトやナスなどの定番野菜に加えて、ビーツやウイキョウ、アマランサス、トレビスなど珍しいアイテムも積極的につくっているので、何が届くか楽しみです。
「ほうれん草の根っこだけ使いたい」など、私の特別なオーダーにも真摯に取り組んでくれ、野菜について相談し合うことができる関係です。
コロナ禍で営業自粛の際には、大島農園の野菜を使ってテイクアウトメニューをつくったり、野菜を販売したり。「美味しかった」というお客さんの声をお互いに励みにしています。
ア・ニュ Shohei Shimono
住所|東京都渋谷区広尾5-19-4 SR広尾ビル1F
Tel|非公開
営業時間|17:30〜(L.O.21:00)
定休日|日曜
https://www.instagram.com/restaurant_anu
野菜セット
ベーシックな野菜からちょっと珍しい野菜まで、品目数や人数によって選べる大島農園の野菜セット。
価格|「野菜Aセット」(17〜19品目)3〜4名向き/4130円、「野菜Bセット」(12〜14品目)2〜3名向き/3130円、「野菜Cセット」(8〜9品目)1〜2名向き/2430円 ※いずれも税・送料込
https://goninbouzu.jp/sale
「意見交換が野菜づくりの励みに」
大島農園
大島太郎(おおしま・たろう)さん
安全で美味しく、見た目もよい。そんな高品質の野菜をつくりたくて、農薬や化学肥料を使わずに作物を栽培しています。虫や病気に負けない、健康な野菜を育てるためには、良質な堆肥を使って豊かな「土づくり」をすることがはじめの一歩。
下野昌平シェフに「まじめ」と言っていただきましたが、土づくりは10年、20年かけて根気よく、手を抜かずにやり続けなければなりません。野菜それぞれのコンディションにも目を配り、食べた人が心も身体も元気になる野菜を栽培してお届けしたいと思っています。
下野シェフの料理を通じて、私は、自分のつくる野菜についてお客さんの反応や意見を教えてもらっています。お客さんと顔の見えるやりとりをする、そのことがまた美味しい野菜づくりの励みになっているのです。
大島農園
住所|長野県上伊那郡中川村片桐3560-1
Tel|0265-96-7911
https://goninbouzu.jp
野菜と魚介のココット蒸し
農薬や化学肥料に頼らずに、堆肥等による土づくりをすることで育てた「大島農園」の野菜は、どれも力強い味わい。だからこそ、新鮮な魚介と一緒にシンプルな蒸し煮で仕上げる。素材がいいからできる“簡単だけど、美味しい”を実感する料理だ。バーベキューの際に、肉を焼くかたわらにココットを置いて蒸し上げれば、人気のひと皿に。
材料 ※適量
大島農園の野菜
生ハム ※切れ端で可
塩
オリーブオイル
水 ※誘い水なので少々
魚介類 ※好きなものを豪快に!
今回はイカゲソ、エビ、タコ、ハマグリなどを使用
つくり方
①ココット(なければ、厚手の鍋)に食べやすく切った野菜を入れて、生ハム、塩、水を加えて蒸し煮にする。
②野菜にある程度、火が通ってきたら、魚介類を加えてさらに蒸し煮にする。
③オリーブオイルをまわしかけて出来上がり。好みで、チーズやバター、醤油を加えてもいい。
text: Tomoko Honma photos: Shinpei Fukazawa
2020年9月号 特集「この夏、毎日お取り寄せ。」