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発酵の深淵をのぞきに西へ東へ②
ファクトリーツアーを実施

2019.11.22
発酵の深淵をのぞきに西へ東へ② </br><b>ファクトリーツアーを実施</b><br class=“none” />

日本の発酵食文化は、地域特有の気候や文化、風習などから独自の発展を遂げ、いま新たな多様性を秘めている。発酵食の代表格であり、歴史深い、味噌、漬物、醤油づくりの地へ向かうと、発酵を軸に、それぞれつくり手が考える日本食の未来が見えてきます。今回は歴史について紹介。

発信することに重きを置いた
ファクトリーツアーを実施

ヤマモが革新的だといわれている理由は醸造工程だけではない。ヤマモのもつ歴史や地元・岩崎の文化を後世に継承するため、蔵や醸造工程、岩崎の歴史を発信する「ファクトリーツアー」を2017年から開始。味噌、醤油づくりの現場を歩く蔵見学に加え、室町時代から伝わる岩崎の竜神伝説を背景とした日本庭園、アートギャラリー、カフェへと案内される。

100年後に残したい歴史をアートで表現 I.L.A.ギャラリー。蔵の2階を改装してつくられたギャラリー。Industry Loves Art(産業はアートに恋をする)をテーマに、 地域の歴史的な風景や味噌・醤油の醸造工程に関連したアートを展示。作品はアーティスト滝澤徹也さんが手掛ける
蔵の1階にあるカフェスペース。気軽に立ち寄ってほしいという思いから、ヤマモの味噌や醤油を使ったメニューを考案。
日本の調味料に馴染みのない海外の人でも受け入れやすいよう、コーヒーやアルコールも提供する

ツアーのスタートはかつての居住蔵の入り口から。蔵の中に蔵が存在する不思議なつくりは、雪下ろしのため作業場と住居が一体となっていた豪雪地帯ならではだ。

「受け継いできた歴史を発信することは大切。僕らは生きている限り何かを失い、そして生み出すようにサイクル化されています。先祖たちも、石碑や街の貢献などさまざまなかたちで生み出し、後世に伝えてきたように、私自身も古いものを再発見して、そこから新しいものを生み出していきたいんです。その表現方法にアート的なアプローチがあるということですね」。

確かに泰さんの話す通り、伝統産業も歴史も同じ。そこには、かたちは違えど紡いでいく美学を表現するという精神が息づいているのだ。

日本を代表する伝統的な調味料、味噌と醤油。ここを訪れれば、味噌や醤油が出来上がる工程を見て、実際に味わって、知ることができます。また、室町時代から伝わる岩崎の竜神伝説を背景とした日本庭園やアートギャラリー、カフェ、ショップなどでも楽しむことができます。

ヤマモ味噌醤油醸造元
住所:秋田県湯沢市岩崎124
Tel:0183-73-2902
営業時間:9:00〜18:00、カフェ10:00〜16:30(L.O.)
定休日:不定休
https://salon-tea.jp

文=藤村実里 写真=野中 弥真人

 Discover Japan 2019年11月号『すごいぜ!発酵』の一部を抜粋して掲載しております。