岐阜県高山市
前畑点心堂の「栃の実せんべい」
《菓子研究家・福田里香の民芸お菓子巡礼》
民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は岐阜県高山市にある老舗・前畑点心堂の「栃の実せんべい」をご紹介。
福田里香(ふくだ りか)
菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。15年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中。

岐阜県高山市の「日下部民藝館」は、天領時代に代官所の御用商人として栄えた日下部家の町家住宅を利用した施設。明治期の民家として国の重要文化財に指定されています。収蔵品を鑑賞しながら、飛騨の名建築に触れる絶好の機会です。またミュージアムショップには、飛騨高山に工房をもつ真工藝の木版手染めの技法を使った手製のぬいぐるみなど高山ならではの民藝品が揃っています。

高山でお土産菓子を買うなら「栃の実せんべい」をお忘れなく。元祖は1985(明治28)年創業の「前畑点心堂」です。栃の実は古くは縄文時代から食されてきたといわれる木の実で、フランスでは「マロニエ」と呼ばれ、パリの街路樹として親しまれる樹木。アク抜き過程を経た栃の実は、栗にも似た風味で、糖分と合わせると黒糖のような滋味豊かな味わいです。
1枚ずつ手焼きしたせんべいのふっくらとした厚みは素朴な愛らしさ。それを口に含めば、サクサクと軽い食感が大変心地よい。栃の実せんべいは「手仕事の美味」を体現した名菓だと思います。
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前畑点心堂
住所|岐阜県高山市上二之町16
Tel|0577-32-1066
営業時間|9:00〜17:00
定休日|木曜
http://maehata.s27.xrea.com/
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