「飛騨一位一刀彫」
飛騨高山の名匠の技を継承する伝統工芸品
古来より「匠の里」として知られている飛騨高山。豊かな山の恩恵を受けながら、木を生業として木と暮らす飛騨の匠たち。その一人である鷲塚沐仁氏がつくる「一位一刀彫」は、木の魅力を最大限に生かし、飛騨の名匠の技を継承している。
鷲塚沐仁(わしづか もくじん)
1971年岐阜県に生まれる。高校卒業後、和仁久幸氏に師事。1996年に独立し鷲塚彫刻を開業。飛騨一位一刀彫組合理事を務める。伝統的な作品から現代的な作品まで制作し、おもな作品は般若面、 七福神、干支、梟、亀、達磨など。伝統的な技法や作風を基本に、一位一刀彫の新たな可能性を追求する。
江戸時代から続く、飛騨の伝統工芸
国の伝統的工芸品に指定され、多くの名匠を生み出してきた飛騨高山伝統の「一位一刀彫」。江戸時代末期に、飛騨の山のイチイという木材を用い、木目の美しさを生かし、色を付けない独特の彫刻で根付がつくられるようになったのをきっかけに大きく成長し、それ以降飛騨を代表する彫刻として発展してきた。
色を付けずに木の特性を生かした彫刻は、小動物や仏像など、細かな表情を巧みなノミさばきでつくり出している。一本の木から生み出される置物は迫力の仕上がり。
鷲塚彫刻はつくり手の鷲塚沐仁氏が修行を積み、一代で一位一刀彫を習得した。樹齢300~500年の硬く腰の強いイチイの木目を見極めながら、繊細にときに大胆にその魅力を最大限生かした細工を施している。生み出される作品は、魔除けの意味と空間のシンボルとなるような力強さをもつ魂の般若面のほか、可愛らしくも年々深みを増していく干支の置物など、一度見て触れるとその唯一無二の存在感の虜になってしまうものばかりだ。
一位一刀彫の制作工程
イチイを乾燥させ、イチイの木目の流れ、木の外側近くから採れる白太、木の中心部分からとれる赤太の色合いの違いが製品の形態とマッチするように工夫し、木を必要な大きさに切り取る。彫りはノコギリ、ツキノミなどを用いて手彫りによって行い、仕上げは表面にノミの彫り跡をそのまま残し、色は塗らずに仕上げる。
飛騨一位一刀彫は
オンラインで購入いただけます!
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渋谷パルコのDiscover Japan Lab.および公式オンラインショップにて、飛騨一位一刀彫の作品を販売中! ぜひ実際に手に取ってお楽しみください。
text:Discover Japan photo: Kazuya Hayashi