沖縄・八重山諸島に伝わる
香辛料《ピパーチ》とは?
八重山諸島に伝わる香辛料・ピパーチは、いま熱い注目を集めている。かつては幻のスパイスと呼ばれた島の記憶を求めて灼熱の太陽が降り注ぐ、石垣島の旅に出た。ピパーチの生産者や実際に食べて愉しめるお店などをご紹介!まずは、ピパーチについて解説していく。
ピパーチって知ってる?

ピパーチとは、コショウ科コショウ属のつる植物で、和名は「ヒハツモドキ」という八重山諸島に伝わる香辛料。ツンと鼻に抜ける甘い清涼感と独特の複雑な辛みが特徴。含まれる成分ピペリンの血流をよくする作用もある。
幻のスパイスは東南アジアから!?
沖縄本島から400㎞南西に位置する石垣島は、八重山諸島の主島であり、各離島への船の玄関口。明治時代以降、農業開拓を目的に本土や沖縄本島から多くの移民が流入した一方で、ハワイや南米への海外移民も盛んに行われた。
島には石垣、大川、登野城、新川という四つの大きな字(集落)があり、独自の文化を育んだ。不思議なことに、島内でもピパーツ、ヒハツ、ピィパーズ、ピーヤシなど、地域によって異なる呼称をもつ(本サイトはピパーチで統一)。

ピパーチの研究や加工品の開発を続ける「石垣島熱帯果樹加工協同組合」の平田直樹理事長によると、島にはピパーチに関する資料や文献は残されていないそう。
「ピパーチは山では見ないので、自生植物とは考えにくい。琉球王国が東南アジアや中国、日本、朝鮮との交易で繁栄した大交易時代に、インドネシアあたりから持ち帰ったという説が有力なようです。ピパーチには身体を温めて新陳代謝を促すなどの薬効があり、アーユルヴェーダといった伝統療法でも取り入れられる香辛料なので、貿易でも重宝されたのではないかと思います。稀少性も、幻のスパイスと呼ばれたゆえんかもしれませんね」と語る。
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text: studio BAHCO photo: Sadaho Naito
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」



































