発酵食品、全国からお取り寄せするならコレ!
古来から伝承される発酵食が、再ブーム到来で注目されている。ところで、体によくて美味しい発酵食には、様々な種類があるのはご存知だろうか。醤油、味噌、酢やみりん、漬物、納豆、酒やお茶、珍味など、全国の様々な発酵食品の中からお取り寄せできる絶品をご紹介。
ご飯のお供にぴったり
『珍味編』
「あら与」のふぐの子ぬか漬/石川県
能登沖で獲れたゴマフグの卵巣を約3年漬け込んだ珍味。十分な致死量をもつフグの猛毒を無毒化するメカニズムは解明されていないが、古くからこの地に伝わる、ほかに類を見ない独自の技術だ。プチプチとした食感と濃厚なチーズにも似た風味で、酒の肴、お茶漬け、パスタの具にも◎。
海藻を使った発酵食品
「戸村フーズ」のむかでのり/宮崎県
日南海岸でしか採れないテングサを何度も天日干しし、煮だして寒天状に練り上げ、固まったら味噌に漬け込む、宮崎県南部に伝わる味だ。プルンとした食感の楽しさ、磯の香り、味噌の風味が後を引く。
価格:972円/450g
Tel:0987-23-1882
注文方法:Telにて要問い合わせ
地域特有の醸造法
『醤油編』
「ヤマロク醤油」のさいしこみ醤油「鶴醤」/香川県
醤油だけでなく、木桶まで自作することで有名なヤマロク醤油。2年の熟成を経て完成した生醤油に、再び塩以外の原料を加えて仕込んだ鶴醤は、まろやかな旨みと深いコクが特徴。すきやきの出汁割にちょうどいい。
「近藤醸造」のキッコーゴ丸大豆醤油/東京都
天然醸造と、国産丸大豆、国産小麦という原料へのこだわりを貫く東京唯一の醤油蔵元。他メーカーに比べると塩の使用量を極限まで減らしているのも特徴。素朴で懐かしく、飽きの来ない風味が根強く支持されており、普段使いに最適。
料理によって使い分け
『味噌編』
「丸新本家」の金山寺味噌/和歌山県
ナスや瓜などが入った、甘くてやさしい味わいのおかず味噌。約750年続く伝統製法と国産原料にこだわり、人工甘味料や添加物は使用しない。まろやかな味わいで、ご飯のお代わりが止まらなくなる一品。酒のお供のほか、炒め物といった料理の調味料としても活用できる。
価格:432円/150g 栄養成分表示(100gあたり)
エネルギー:245kcal たんぱく質5g、脂質2g、炭水化物52g、食塩相当量6.3g
Tel:0120-345-193
注文方法:Tel、インターネット
https://www.marushinhonke.com/
「五味醤油」の甲州やまごみそ/山梨県
米と麦の麹をブレンドした甲州味噌。さっぱりながらも甘みとまろやかさを併せもつ。五味醤油では麹に至るまで自社製造。パッケージングされた後も発酵が続く味噌は、時間とともに味わいが変化する。ほうとうや煮込みにもぴったりだ。
「ヤマモ味噌醤油醸造元」のYUKIDOKE/秋田県
1867創業の醸造蔵。秋田県産の米と大豆で仕込んだYUKIDOKEは、低温熟成蔵でじっくりと寝かし、なめらかになるまでこした、クリーミーなテクスチャー。和え物など、麹の甘みを生かす料理におすすめ。
煮物などの和食に
『みりん編』
「角谷文治郎商店」の三洲三河みりん/愛知県
明治43年創業以来「米一升を使って、みりん一升をつくる」といったシンプルな製法を貫いている「角谷文治郎商店」。米本来の豊かな甘みと旨みを閉じ込めたみりんだからこそ、そのまま飲んでも甘口リキュールのような味わいでおすすめ。
「九重味淋」の本みりん 九重櫻/愛知県
大粒の「もち米」・蔵人伝承の「米こうじ」・丁寧に蒸留した「本格焼酎」と、シンプルながら原材料は皆高品質。初代より受け継がれてきた大蔵に息づく微生物が、醸造特有の芳醇な香りを生み出している。普段使いにぴったりの1本。
酸味と旨みが決め手
『酢編』
「飯尾醸造」の純米富士酢/京都府
地元・宮津の契約農家が米を栽培するところからはじまる「富士酢」の仕込み。自然にじっくり発酵させる昔ながらの静置発酵に加え、タンクからタンクへの移し替えを行いながら1年間熟成させることで、旨みが強く濃厚でまろやかな味わいとなる。和食に使うならやっぱりクオリティの高いこの1本をセレクト。
「戸塚醸造店」の心の酢/山梨県
酢の原料となる酒づくりからはじめる伝統製法を行うのは、関東地方では「戸塚醸造店」のみ。麹菌と酵母菌の餌まで徹底的に調べ上げた「心の酢」は、量産できない小規模醸造所だからこそ生まれたこだわりの逸品。味の旨味が力強い。
箸休めにあるとうれしい逸品
『漬物編』
「辻しば漬本舗」の生しば漬/京都府
「辻しば漬本舗」では、香り高い古来種の赤紫蘇を毎年自社で栽培している。「生しば漬」は色鮮やかな大原産の赤紫蘇、ナスを、塩だけで漬け込んだシンプルな郷土漬物。野菜そのものの旨味と自然発酵ならではの酸味が味わえる。香りがとてもいい。
「森奈良漬店」のきざみ奈良漬/奈良県
明治2年に東大寺境内で商いをはじめた「森奈良漬店」。原材料は瓜と胡瓜、酒粕、天然塩のみでほかの調味料が入っていないため、アルコール度数6〜7%とやや辛口。刻み瓜に酒粕の旨みが凝縮され、白飯にも酒のアテにも合う。奈良漬けや酒粕が苦手な人でも美味しく食べられる。
発酵食品の王さま
『納豆編』
「宮城野納豆製造所」の宮城野納豆/宮城県
大正9年の創業以来、高品質な納豆菌を製造することでも知られる「宮城野納豆製造所」。宮城県のご当地納豆だ。木がもつ適度な保湿性がふっくらとした豆の食感を生み出す経木納豆は、いまでは珍しい一品。大豆に移るシナの木の芳ばしい香りを楽しむためにも、まずは何もかけず食べてみるべし。
「天狗納豆」の極小粒 わら納豆3本束/茨城県
水戸の名産である小粒納豆の中でも、さらに極小の大豆を使用した「極小粒」は、かき混ぜると力強い粘りが現れるのが特徴。その粘り強さと粒の小ささは、納豆ご飯に最適ともいえる一品で、藁が納豆の水分を適度に吸収するため、凝縮された旨みとほどよい歯応えも楽しめる。
カテゴリー分けが難しいけれど、
これも実は発酵食品!
「大豊町」の碁石茶/高知県
碁石茶とは、高知県大豊町で生産される伝統発酵茶。標高450mの山中にある茶畑から、枝ごと刈ってカビ付けし、乳酸発酵させるのが特徴で、香ばしくほんのり苦みのある味。栄養素を多く含み、近年注目を集める健康発酵茶。お茶漬けで食べると、魚介出汁のような味に。
「阪東食品」の阿波晩茶/徳島県
古くから徳島県の山間部で生産されている特産茶。新芽ではなく、あえて大きく育った一番茶を使用し、木桶で漬け込み乳酸発酵させ、天日干しする伝統製法でつくる後発酵茶で、カフェインが少なくほのかな酸味がある。
価格:1512円/100g
Mail:info@bando-farm.com
注文方法:mail、インターネット
http://bando-farm.com/index2.html
「青ヶ島」の青酎/東京都
伊豆諸島の一番奥、青ヶ島でつくられる芋焼酎。青ヶ島産の芋と「純生麦」からつくる麦麹を5年以上じっくりと発酵・熟成させた、独特の芋の甘い香りとまろやかな口当たり。その味わいは一度飲むと癖になると評判。
「発酵食品は体に良い」とは聞くものの、様々な種類がある。だから、いざ買おうと思った時にどこの何を買えば良いのか迷ってしまいがちでもある。今後のお買い物の参考に、このリストを活用してみてはいかがだろう。
Discover Japan 2019年11月号「すごいぜ!発酵」の一部を抜粋して掲載しております。