和食の味付けがキマる日本の食材。
出汁①
こだわりの逸品を使えば、和食はもっと美味しくなる。本誌に馴染みの深いグルメ通な方々を監修に迎え、本当に美味しいと思う、和食の食材を厳選した《和食の腕を上げる日本の食材》。第2回は和食の味を引き出すのに欠かせない出汁、その中で鰹節を紹介する。お取り寄せも可能なので、この機会にぜひお試しあれ。
鰹節
小倉ヒラクさん SELECT
和食をはじめよう!カンナで削る一本節
「カネサ鰹節商店」の本枯れ鰹節 手火山 田子節
「鰹漁業が盛んな西伊豆の田子地区で伝統を受け継ぐ老舗の鰹節です。香りがとてもよく、直接お湯に入れて味噌を溶いても美味しいです」職人の手で火の入り具合をはかって燻す「手火山式焙乾法」で、鰹本来の旨みを逃さない。香り豊かな削りたてを口にほお張ってみては。
松本栄文さん SELECT
伊勢神宮に献上された歴史ある伊勢波切節
「かつおの天ぱく」の鬼鰹 漁師厚削り
豪快な厚削りが特徴。燻しの香りがガツンと強く、濃厚な出汁に仕上がる逸品。「伊勢波切は神宮の御食国として食をつかさどる地。守り抜いた味、旨みの底力がある。麺つゆや煮込み、酒浸しにもおすすめです」。
野村友里さん SELECT
プロも家庭も喜んで!築地問屋の鰹節
「秋山商店」の混合削り
築地の老舗鰹節問屋「秋山商店」。鰹、宗田鰹、ムロアジ、鯖を薄くした「混合削り」は数種類あり、混合比が異なる。「目利きが選ぶ専門店。信頼して購入しています」。
内容量:300g
価格:1069円
TEL:03-3541-2724
注文方法:Tel、Fax(03-3546-6668)
URL:http://akiyamashouten.com
野村友里さん SELECT
築地で最高級の削り節を買える贅沢
「秋山商店」のまぐろ削り
血合いをすべて取り除いた、築地最高級の削り節。臭みがなく、品のある出汁に。「店頭で毎朝削られるので、香り高い新鮮なものを買うのが楽しみです」。
内容量:300g
価格:1522円
TEL:03-3541-2724
注文方法:Tel、Fax(03-3546-6668)
URL:http://akiyamashouten.com
松本栄文さん SELECT
お吸い物にもぴったり鰹節の香りの花が咲く
「タイコウ」の花くらべ 血合い抜き
「芳醇でキレのいい香り。お吸い物におすすめです」鹿児島枕崎の一本釣り鰹でつくるタイコウの「花くらべ」。鰹の血合い部分を除き、香り高い出汁が取れる。
戸村亜紀さん SELECT
万能! 房総鰹の旨みを手軽に料理へ
「松葉屋」の上粉節
房総産鰹節を厚削りする過程で出る、細かい節粉。「お好み焼きのたねや卵焼きに混ぜたりして使っています。醤油に漬け込んで卵がけご飯醤油もつくります」。
横川正紀さん SELECT
パッとひと振り、京都の無添加出汁
「うね乃」の粉だし かつお
独自の古式製法でつくる鰹節粉末を小瓶に。「丁寧につくられた粉なので、出汁の風味が増します。味噌汁やおひたし、離乳食にしてもいいと思います」。
※商品については各メーカーへお問い合わせください。また各商品の産地名がふたつ併記してあるものは(産地/販売元)で表記しています。
「くるみの木」
主宰 石村由紀子さん
香川県高松市生まれ。奈良県ではじめたカフェ・雑貨店「くるみの木」を筆頭に、観光案内所、食堂、レストランからなる複合施設「鹿の舟」などをそれぞれプロデュースし、運営。また、全国にある地域活性化拠点や 、商業施設のプロデュースも手掛けている
ウェルカム
代表 横川正紀さん
ウェルカム創業以来、食とデザインの軸で、「DELUCA & DEAN」や「CIBONE」、「TODAYʼS SPECIAL」など良質なライフスタイルを提案するブランドを展開。リアルチャンネルに加え、商業施設やホテルのプロデュース、街づくりや地域活性のコミュニティづくりも行う
日本食文化会議
理事長 松本栄文さん
花冠陽明庵主人、作家。(社)日本食文化会議理事長。著書「日本料理と天皇」(枻出版社)は、料理本のアカデミー賞と称されるグルマン世界料理本大賞で最高位「殿堂」(2015 )に輝き、続く創設20周年記念祭典「創設最高賞」をW受賞。ほか連載、執筆、著書多数
クリエイティブ
ディレクター 戸村亜紀さん
FOLKHOOD代表、クリエイティブディレクター。循環に特化した事業開発や、技術・文化・経験・時間のフェアトレードがテーマのMade with Japanプロジェクトを手掛け、日本文化の海外向け書籍出版など国内外でアワードを受賞している。
http://folkhood.com
発酵デザイナー
小倉ヒラクさん
山梨県甲州市を拠点に全国の醸造家との商品開発、ワークショップなどを行う。著書に「発酵文化人類学」(木楽舎)、「日本発酵紀行」(D & DEPARTMENT)。4月には東京・下北沢にできる新たな商業施設にて店舗「発酵デパートメント」をオープン予定
料理人/eatrip主宰
野村友里さん
ケータリングフード演出、雑誌連載やラジオ番組、イベント企画・プロデュースなど、食の可能性を多岐にわたって表現。2012年に「restaurant eatrip」(原宿)、2019年に「eatrip soil」(表参道)を開店。著書に「Tokyo Eatrip」(講談社)、「TASTY OF LIFE」(青幻舎)など
文=相磯法子、新居奈津 写真=野中弥真人、遠藤麻美