都市緑化を目指す、
“まちづくり”最新事例集!③
「食育と都市農業」、「医療や健康の向上」

日本のまちをみどり豊かな空間にするため、各地でさまざまな取り組みが進行中。人に、環境にやさしいまちづくりは、人と自然とが共存する持続可能な社会へとつながっていく。
今回は屋上菜園を行う「Edible KAYABAEN」と森林浴ができるクリニックの「新柏クリニック」をご紹介。
《食育と都市農業》
屋上菜園から持続可能な地域づくり
Edible KAYABAEN/東京都中央区

オフィス街のビル屋上で、多種多様な野菜やハーブが育つ菜園「Edible KAYABAEN」は「食・農」、「教育」、「コミュニティ」の機能を備えたアーバンコミュニティガーデン。食べられる森「フォレストガーデン」を中心にアウトドアキッチン、オーガニックファームなどが揃う。
子どものための自然学校「アーススコーレ」と、地元の小学校への教育プログラムの提供をメインに、食と農に関するさまざまなイベントを開催し、サステイナブルな都市緑化、子どもの食育や居場所づくり、地域住民やオフィスワーカーの交流の場としての役割を担っている。

住所|東京都中央区日本橋茅場町1-5-8 ※イベント時のみ一般開放
問|エディブル・スクールヤード・ジャパン
https://ediblekayabaen.jp
《医療や健康の向上》
森林浴ができるメディカルタウンを創出
新柏クリニック/千葉県柏市

©JUN MIYASHITA
120床の人工透析病床を有する「新柏クリニック」のテーマは“森林浴ができるクリニック”。木の香りや温もり、森のみどりに包まれながら、リラックスした状態で治療が受けられるようにという想いから、3階建ての建物は医療施設としては珍しい木造を主とした構造で、内部もカラマツの集成材からなる柱と檜の天井が印象的な木質空間となっている。
また、建物の南側には、遊歩道を設けたフィットネスガーデン「めぐりの庭」が広がり、患者はもちろん、地域住民の憩いの場にもなっている。
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新柏クリニック(図①)、めぐりの庭(②)、「糖尿病みらい」(③)とそれらに隣接する雑木林で構成される。周辺の雑木林と連なる緑地、木材を活用した建築物などにより、みどり豊かなメディカルケアタウンを形成している
地図データ|Google, ©2025

木の香りや温もりに包まれる建築は、四季の彩りを見せる庭に面する開放感のある大きな窓、緑地との連続性を高める勾配屋根など、自然との一体感を高めるデザインとなっている
©JUN MIYASHITA
住所|千葉県柏市新柏1-7
問|竹中工務店
https://shinkashiwa.jp
“まちづくり”最新事例集!④
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text: Miyu Narita
2025年3月号「ニッポンのまちづくり最前線」