大分・由布院温泉《由布院 玉の湯》
|名宿がおすすめする地元の逸品

旅の拠点としてはもちろんのこと、伝統や文化を継承していくこともその地域をよく知る名宿ならでは。そんな土地に根ざした名宿が教えてくれた“美味しいもの”や“いいもの”には、連綿と刻まれてきた風土が凝縮されていた。今回は、大分県の由布院温泉を代表する名旅館「由布院 玉の湯」が選ぶ地元の逸品をご紹介。
由布院 玉の湯がおすすめする
地元の逸品とは?

由布院温泉の御三家”のひとつである名旅館「由布院 玉の湯」。憧れの高級旅館として名を馳せるが、元は禅寺の保養所として設立されたもの。保養温泉地としての歴史が息づく宿とあり「身体を休め、心も身体も元気になっていただく」といった考えに基づいてつくられる料理には、野菜をふんだんに使用。美味しくたくさん食べられるような工夫に満ちている。
2024年1月には、“暮らすように旅をする”をコンセプトとした、長期滞在も可能な宿「STAY玉の湯」を開業。由布院は生活に密着した温泉地とあってか、実は地元の人々が愛用する名店も数多く点在する。

そんな由布院 玉の湯が教えてくれたのが、地域に根ざした喫茶店「珈琲 木馬」のコーヒー豆である。季節のブレンドや、開店した1977年から続く木馬オリジナルブレンドなどのメニューがおすすめだという。産地や香りの違いが楽しめる珈琲 木馬の一杯はワインと似ているのだとか。店内はつかの間の息抜きに立ち寄れる、癒しの場でもある。
そして、客室にも置かれている「別府クラフト」の竹籠。宿のリピーターの多くがプレゼントとして購入していくなど、素朴ながらも一度使えば虜になる、大事に育てたい名品。大切な手紙、写真、本などを入れておくだけでもインテリアとして映えるに違いない。
今回ご紹介した逸品
経年変化を楽しむ粋なインテリア
別府クラフト《竹籠》

白竹(はちく)と呼ばれる真竹(まだけ)を油抜きした後、直射日光にさらすことで乾燥。編み上げた籠の表面には竹の節がなく、使うごとに手に馴染むだけでなく飴色に姿を変えていくところも美しい。
価格|1万6500円
サイズ|W280×D145×H103㎜ 重量|225g
Tel|0977-84-2158(由布院 玉の湯)
ひとときを輝かせる美味しいコーヒーを追求
《珈琲 木馬》
季節のブレンド・木馬オリジナルブレンド

コンピューターに頼らない昔ながらのドイツ製焙煎機を使用。好みを伝えると、店主のおすすめをセレクトして、焙煎したてのコーヒー豆を届けてくれる。
価格|800円
内容量|100g
Tel|0977-85-3385
https://mokuba-tsukahara.com
由布院 玉の湯のお取り寄せ名物

〈宿オリジナル〉
由布院で昔から親しまれているお茶請け「柚子ねり」(450円)。玉の湯では柚子の表皮を深くむくことで、まろやかに炊き上げている。

〈名物料理〉
5種類のメインディッシュから選べる夕食。写真は宇佐市安心院の産直品を使用した「すっぽん鍋」。すっぽんからにじみ出た出汁は味わい深く、野菜が格別の美味しさになる。
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由布院 玉の湯(ゆふいん たまのゆ)
住所|大分県由布市湯布院町大字川上2731-1
Tel|0977-84-2158
料金|1泊2食付4万2050円~(税・サ込)
https://tamanoyu.co.jp
text: Natsu Arai photo: Shimpei Fukazawa
2025年1月号「ニッポンのいいもの美味いもの」