鹿児島《伝泊 The Beachfront MIJORA》
“奄美を喰らう”感動の食体験とは?
鹿児島県・奄美大島のスモールラグジュアリーヴィラ「伝泊 The Beachfront MIJORA」。同ホテルと同様にビーチに面して建つレストラン&バー「2 warters(トゥーウォーターズ)」で体験できる、絶景の中で味わう感動の料理とその背景をひも解く。
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絶景のサンセットに包まれながら
奄美の新鮮食材をいただく
トラベラーにとって大いなる楽しみなのが食事。ヴィラと同様にビーチに面して建つレストラン&バー「2 waters」が、奄美の特徴的な新鮮食材でつくる創作料理を提供してくれる。
知らない食材にも出合えるエキサイティングな料理は、いずれもシェフの創意工夫によるオリジナル。新鮮な食材選びや、旨みが生かされたヘルシーで美味しい料理に何度も舌鼓を打つ。まさに“奄美を喰らう”料理の数々である。
さらに食材の生産者を訪ね、それぞれの意識の高さにも驚かされた。自然農法や伝統食材の生産、幸せそうな笑顔に、農業人として自己を貫く誇りが伝わってきた。
「2 waters」のカウンター席に座ると波の静かな赤木名湾の絶景が一面に広がる。空と海が織りなす自然のダイナミックなシーンが、ここの大きな魅力だ。とりわけサンセットは忘れ難い風景。
好天ならば感動の涙があふれるほど最高のサンセットシーンが繰り広げられる。そんな状況でいただく料理がグルメを唸らせている。ワインやカクテルとのペアリングも楽しめる。結婚記念日や誕生日などの記念日で、ゆっくりと時間を過ごす夫婦水入らずの滞在をする人も多いそう。
社会と戦い人生を歩んできた大人には、海と語り合うのは心の浄化。ヴィラづくりも美しい海も、島人の優しさも、極上の“リトリート”である。
※料理は取材当時のメニューです。詳しくは公式ホームページをご確認ください。
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奄美の美味を支える
生産者たち
島を代表するオーガニック農家
有機野菜やハーブ、果物の「くすだファーム」代表の楠田哲・敬子夫妻は、奄美の美味しくて安全な野菜づくりの牽引者。7代続く農家であり、農業学校卒業後には3年半の農業研修に米国サンディエゴに。1992年から実家を継承し、メロンづくりをはじめ、現在では、パーマネントカルチャーな農園づくりを実践し、「2 waters」で提供する野菜、ハーブ、フルーツなどを栽培するパワフル笑顔の農業人。
田芋とマコモダケ栽培を無農薬で探求
「2 waters」が料理に使う田芋を仕入れているのが「ターマン直売所 くまさん農園」。農業にいそしむ熊本三夫氏は、12年前までは役所勤め。「何か難しいことに挑戦したい」と農家に転身。田芋のほか、イネ科の植物・マコモダケを栽培。飼育しているヤギは雑草を食べてくれる強い味方だ。
奄美をバニラビーンズの産地にと未来に向かう
農林水産省から外務省に出向しODAのタンザニア支援でバニラビーンズ農園を訪ねたのを転機に、亜熱帯北限地域の奄美でも生産が可能と、故郷でバニラビーンズ農家に転身した林晋太郎氏。バニラビーンズの畑を開拓し栽培中。「いずれ良質の奄美産バニラを世界に」と夢を語る。
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伝泊 The Beachfront MIJORA
住所|鹿児島県奄美市笠利町外金久亀崎986-1
Tel|0997-63-1910(9:00〜18:00)
客室|20棟
料金|1泊朝食付2万6900円〜(税・サ込)
カード|AMEX、DINERS、Master、VISAほか
IN|15:00 OUT|11:00
アクセス|車/奄美空港から約15分 バス/奄美空港から約30分。三鳥屋バス停下車、徒歩約5分
付帯施設|フロント、レストラン&バー、インフィニティプール ※営業情報は公式サイトをご覧ください
text: Kyoko Sekine photo: Hiroshi Abe
2024年7月号「沖縄」