瀬戸焼の聖地・愛知県瀬戸市
陶都千年のものづくりをめぐる旅へ
後編|伝統を体感するおすすめスポット5選
「せともの」という言葉のルーツ、愛知県瀬戸市はその名の通り、焼物の都。1000年余り、陶器や磁器を生む窯が栄えてきた街を体感しに出掛けよう。後編では、駅前の「瀬戸蔵」を皮切りに街をめぐるおすすめスポットをご紹介。“せともの”を育む空気を吸ってみよう!
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瀬戸焼の伝統と広がりを体感する、
街歩き
1000年以上の歴史を誇る陶都・瀬戸は里山に囲まれ、穏やかな空気に包まれている。窯元はもちろん陶芸材料や道具の専門店、問屋がそこかしこに点在し、焼物の街ならではの光景が楽しめる。
01|瀬戸蔵セラミックプラザ
併設のミュージアムと合わせて楽しみたい

「やっぱりうつわを購入したい」という人は、「瀬戸蔵セラミックプラザ」へ。名古屋鉄道・尾張瀬戸駅から徒歩約5分。瀬戸を発信する複合施設「瀬戸蔵」1階にある、愛知県陶磁器工業協同組合の直営ショップ。国指定の伝統的工芸品である赤津焼と瀬戸染付焼はもちろん、100を超える窯元・工房による多彩な瀬戸焼がずらりと並び、眺めているだけでウキウキしてくる。また2・3階の瀬戸蔵ミュージアムでは、1000年余りの瀬戸焼の歩みがたどれる。


「日本六古窯のほかの産地の土と異なり、瀬戸の土は真っ白だった。それでいち早く釉薬が発展したんです」と教えてくれたのは、店長の伊藤幸生さん。店内には日本六古窯の比較や瀬戸七釉の展示などもあり、豆知識を得ながら、多彩なうつわが選べる。

瀬戸蔵セラミックプラザ
住所|愛知県瀬戸市蔵所町1-1 瀬戸蔵1F
※ミュージアムは2〜3F
Tel|ショップ0561-89-5758、ミュージアム0561-97-1190
営業時間|ショップ10:00~17:30、ミュージアム9:00~17:00(最終入館16:30)
定休日|月1回臨時休館
料金|ミュージアム520円 ※ショップは無料
www.setogura-museum.jp
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02|窯垣の小径
窯道具がつくり上げた景観

窯垣とは、かつて登り窯で使われていた窯道具を積み上げた塀や壁の総称。焼物を置く「タナイタ」や柱にあたる「ツク」、うつわを重ねて焼くための円筒状の「エンゴロ」などが積まれた窯垣が街に点在する。中でも窯元が集積する洞地区の約400mも続く窯垣の小径はノスタルジック。

窯垣の小径
住所|愛知県瀬戸市仲洞町8(窯垣の小径駐車場)
03|Masukichi
ものづくり文化に囲まれる古民家宿

瀬戸出身の南慎太郎さんが2018年に「焼物の街・瀬戸のことを丁寧に伝える宿を」とオープン。築140年の木造2階建ては、日本ではじめて洋食器スタイルのコーヒーカップ製造に成功した瀬戸の陶工・川本枡吉の元住まいだ。

客室の天井には窯元で使われていた板が張られ、宿泊者用キッチンやカフェには瀬戸焼のうつわが。1階座敷では瀬戸の窯元や工房の作品を展示販売している。さらに通常立ち入れない陶土の鉱山をめぐるツアーなども企画。まさに、瀬戸焼の魅力にディープに触れられる拠点だ。

「ここは瀬戸の魅力を伝える拠点なので、カフェやショップのみの利用も大歓迎です」と代表の南慎太郎さん。瀬戸焼の背景を知ることができる、窯元ツアーや鉱山ツアーも実施している。

Masukichi
住所|愛知県瀬戸市仲切町22
Tel|080-4614-5325
料金|1泊4000円~(税・サ込)
営業時間|カフェ・ショップ/月~木曜15:00〜21:00、金~日曜、祝日は13:00〜
定休日|なし
https://seto-masukichi.com
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04|愛知県陶磁美術館
陶芸体験もできるミュージアム

縄文時代から現代に至るまで、重要文化財3点を含む約8000点のコレクションをもつ、日本屈指の陶磁専門ミュージアム。3月20日からは古今東西の茶器を集めた企画展「茶の饗宴」も開催予定。併設の陶芸館での「陶芸体験」も楽しい。


愛知県陶磁美術館
住所|愛知県瀬戸市南山口町234
Tel|0561-84-7474
開館時間|9:30~16:30(最終入館16:00)、7月1日~9月末頃まで~17:00(最終入館16:30)
休館日|月曜(祝日の場合は翌平日休)
料金|400円 ※陶芸体験は1000円〜
www.pref.aichi.jp/touji/index.html
05|STUDIO 894
招き猫に絵付け体験ができる複合施設

招き猫などの縁起物を長年手掛けてきた「中外陶園」が運営する、焼物体験スタジオ。体験コースは、「陶器 ぬり絵」、「磁器 絵付け」、「磁器 銅版転写」の3つから選べる。コーヒースタンドやギャラリーも併設されているので、街散策の一服にも。


STUDIO 894
住所|愛知県瀬戸市薬師町1
Tel|0561-84-0894
営業時間|10:00~17:00(絵付け体験の最終受付15:30)
定休日|火曜(祝日の場合は営業)、年末年始
料金|絵付け体験1500円~
https://studio894.jp
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瀬戸が盛り上がる
春の風物詩も欠かせない
4月第3日曜とその前日に陶彦社を中心に開催される「せと陶祖まつり」と、旧深川小学校の「Land of Pottery」は、焼物に携わる人たちとじかに触れ合える絶好の機会だ。また、4月に水野、5月に赤津・品野の2地区、11月には赤津・品野・水野の3地区で行われる「窯めぐり」では、いつもは公開していない窯元の工房やギャラリーをめぐることが可能だ。つくり手との会話を楽しみながら、瀬戸焼を手に取ることができる。
Land of Pottery
-瀬戸体感陶器市-

窯元、作家のほか、瀬戸焼の原材料や道具を扱う工房・会社など24組が、焼物づくりの工程や道具の展示、ワークショップ、販売を実施。瀬戸焼が生まれる背景がわかり、理解が深まる。
Land of Pottery
-瀬戸体感陶器市-
会期|2026年4月18日(土)・19日(日)
会場|旧瀬戸市立深川小学校
Tel|0561-41-0471(M.M.Yoshihashi)
料金|無料
せと陶祖まつり

陶祖の遺徳をしのび、1962年以来続く祭り。 陶祖供養のほか、陶磁器の廉売市、子どもから大人まで楽しめるこまいぬづくり体験、そして音楽イベントなどが開催され、瀬戸市内が賑わう。
せと陶祖まつり
会期|2026年4月18日(土)・19日(日)
会場|名古屋鉄道尾張瀬戸駅周辺など
Tel|0561-82-3123(大せともの祭協賛会)
料金|催事によって異なる
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text: Kaori Nagano(Arika Inc.) photo: Takashi Gomi
2026年4月号「地域の“旬”感へ」


































