TRAVEL

長崎県雲仙市《タネト》
小さなタネから大きな縁を育む場所

2022.9.7
長崎県雲仙市《タネト》<br>小さなタネから大きな縁を育む場所
©繁延あづさ

西九州新幹線「かもめ」の開業に伴い、地域に根ざして魅力あるまちづくりをする人々を応援するべく発足した、西九州観光まちづくりアワード
長崎県雲仙市のオーガニック直売所タネト店主の奥津 爾さんが大賞を受賞。在来種野菜を育てる岩崎政利さんの功績と、その野菜を販売する直売所をつくりPRする奥津さんの取り組みが評価。世界も注目しているその取り組みとは?

生命力あふれる在来種野菜を
雲仙から全国へとつないでいく

左から奥津爾(ちかし)さん、妻の典子さん、娘の愛子さん、中尾愛子さん。店内には野菜のほかゴマ油や乾物などの加工品、雑貨がズラリ。国道沿いで駐車場が広く立ち寄りやすい ©繁延あづさ

長崎県雲仙市には、40年にわたって80種に及ぶ在来種野菜の自家採種を続ける岩崎政利さんという農家がいる。これだけ多くの在来種野菜が守り継がれている例はほかにないが、岩崎さんはそれを声高にアピールする人ではない。そんな岩崎さんに引き寄せられ移住したのが、東京・吉祥寺で活動していた奥津爾さんだ。奥津さんは「野菜の花が咲く岩崎さんの畑の景色を守りたい」と雲仙に移り住み、2019年に岩崎さんや近隣農家の野菜を扱うオーガニック直売所「タネト」をオープン。それまで大都市に送られ、地元で買うことができなかった彼らの野菜を販売し、農家と消費者をつないだ。奥津さんを通して岩崎さんの野菜を知った東京の有名シェフも雲仙に移住してレストランを開いた。小浜温泉「湯宿 蒸気家」では、旅行者がタネトで買った野菜を持ち込んで温泉蒸しにするという旅のスタイルが定着した。

これらの動きは、岩崎さんの野菜に惚れ込んだ奥津さんなくしては生まれていない。今後も、岩崎さんの野菜がタネトを通して全国や世界に知られていくことだろう。

湯宿 蒸気家では、温泉蒸しも堪能。野菜の味が濃く美味しい

すべてのはじまりは岩崎政利さん

岩崎さんは約40年にわたって農薬や肥料を使わず、自家採種の農業を実践している
岩崎さんが採取した種。奥津さんとともに、在来種野菜の種を守り継ぐ大切さを伝える。「雲仙たねをあやす会」を結成し、種の勉強会も開催 ©繁延あづさ

オーガニック直売所タネト
住所|長崎県雲仙市千々石町丙2138-1
Tel|0957-37-2238
営業時間|10:00〜16:00
定休日|水曜
アクセス|電車 島原鉄道愛野駅からタクシーで約10分/バス JR諫早駅から約40分→千々石海岸入口徒歩約2分

 

≫公式サイトはこちら

 

はじめまして、西九州—ヒト・モノ・コトに出会う旅

1|西九州観光まちづくりアワードとは?

2|佐賀県 嬉野茶時

3|長崎県 タネト

4|佐賀県 ナカシマファーム

5|長崎県 HIROPPA

6|長崎県 Sorrisoriso

text: Akiko Yamamoto photo: Hiromasa Otsuka
2022年10月号「旅で、ととのう。」

長崎のオススメ記事

関連するテーマの人気記事