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佐賀県塩田町《ナカシマファーム》
美しく楽しい循環を目指す、酪農to乳(new)カルチャー

2022.9.7
佐賀県塩田町《ナカシマファーム》<br>美しく楽しい循環を目指す、酪農to乳(new)カルチャー

西九州新幹線「かもめ」の開業に伴い、地域に根ざして魅力あるまちづくりをする人々を応援するべく発足した、西九州観光まちづくりアワード
特別賞を受賞した「ナカシマファーム」は、
佐賀県嬉野市で酪農を軸に、ミルクやチーズを販売している。審査委員の心をつかんだ、持続可能な循環システムと新感覚の美味しいドリンクの提供、そして若い代表の熱い想いとは?

酪農の循環から生まれる
NEWカルチャーを体験!

審査委員の宮﨑香蓮さんは、「牛舎の一画で堆肥をつくっているのに、牛舎の臭いがまったくないのに驚きました。私は浅煎りコーヒーが苦手ですが、ミルクブリューで飲むと酸味がマイルドでフルーティになって美味しい!」

佐賀県嬉野で3代にわたって酪農業を営むナカシマファームでは、水田を活用して牛のための稲を育て、それを発酵させて乳牛に与え、ミルクを搾っている。さらに牛が出したフン尿を堆肥化して水田に戻し、酪農による循環をつくり上げている。その成果物であるミルクやチーズを商品化しているが、「最終成果物は時代に合わせて変わっていけばいい」というのが代表の中島大貴さんの考えだ。

中島さんは2021年、塩田津にカフェMILKBREW COFFEEをオープンし、ミルクブリューという新しいコーヒーの飲み方を発信している。ミルクブリューとは、水を使わず牛乳にコーヒー豆を浸して抽出することで、ミルクのコクと豆のフルーティな香りをダイレクトに楽しめる。

「カフェでカフェラテを飲むとき、コーヒー豆の情報はあっても、牛乳がどこのものかを伝えるカフェは多くありません。牛乳もこだわりの “クラフトミルク”を選ぶ意識をもってもらいたいと考えて、カフェでドリンクを販売するだけでなく、ミルクブリュー用のコーヒー豆を販売し『牛乳は皆さんの地元産のものを使ってミルクブリューコーヒーをつくってください』と提案することを続けています」
目指すのは、酪農の循環を通した新しいカルチャーの創出と、その先にある多様で持続可能な未来の実現だ。

自社の水田で牛の飼料としての稲を育て、目の前の牛舎で飼う乳牛に与え乳を搾る。その牛が出すフンから堆肥をつくり、水田の肥料とする。この循環をベースに、ミルク、チーズなどの最終成果物をつくる

ミルクブリューを飲んで
微生物の営みによる循環を意識

カップは生分解性プラスチック。攪拌機を使って2週間ほどで発酵させ堆肥として再利用
浅煎りのエチオピア豆をミルクで抽出した新感覚の“ミルクブリュー”600円。ひとくちブラウンチーズ200円

世界とつながっていたシュガーロードに出店

重要伝統的建造物群保存地区である塩田津の築167年の蔵を改装し、MILKBREW COFFEEをオープン。かつてシュガーロードとして出島と江戸をつないでいた場所から、NEWカルチャーを発信
重要伝統的建造物群保存地区である塩田津の築167年の蔵を改装し、MILKBREW COFFEEをオープン。かつてシュガーロードとして出島と江戸をつないでいた場所から、NEWカルチャーを発信

MILKBREW COFFEE
住所|佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲727
Tel|080-3221-0871
営業時間|10:00〜16:00 、土・日曜〜17:00
定休日|月・火曜
アクセス|車 長崎自動車道武雄北方ICから約20分/電車 JR肥前鹿島駅からタクシーで約10分
http://milkbrew.co.jp

循環の中から生まれる、美味しい最終成果物

中島さんのミルクを試飲。ミルクも土地や製造方法で大きく味が変わることを実感
モッツァレラや日本ではじめて製品化したブラウンチーズなどチーズ類は店舗のほかオンラインでも購入可能

ナカシマファーム
住所|佐賀県嬉野市塩田町大字真崎1488
Tel|090-5293-8680 営業時間:11:00〜16:00、土・日曜10:00〜
定休日|月・火曜
アクセス|車 長崎自動車道武雄北方ICから約20分/電車 JR肥前鹿島駅からタクシーで約10分

 

≫公式サイトはこちら

 

はじめまして、西九州—ヒト・モノ・コトに出会う旅

1|西九州観光まちづくりアワードとは?

2|佐賀県 嬉野茶時

3|長崎県 タネト

4|佐賀県 ナカシマファーム

5|長崎県 HIROPPA

6|長崎県 Sorrisoriso

text: Akiko Yamamoto photo: Hiromasa Otsuka
2022年10月号「旅で、ととのう。」

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