佐賀県塩田町《ナカシマファーム》
美しく楽しい循環を目指す、酪農to乳(new)カルチャー
西九州新幹線「かもめ」の開業に伴い、地域に根ざして魅力あるまちづくりをする人々を応援するべく発足した、西九州観光まちづくりアワード。
特別賞を受賞した「ナカシマファーム」は、佐賀県嬉野市で酪農を軸に、ミルクやチーズを販売している。審査委員の心をつかんだ、持続可能な循環システムと新感覚の美味しいドリンクの提供、そして若い代表の熱い想いとは?
酪農の循環から生まれる
NEWカルチャーを体験!
佐賀県嬉野で3代にわたって酪農業を営むナカシマファームでは、水田を活用して牛のための稲を育て、それを発酵させて乳牛に与え、ミルクを搾っている。さらに牛が出したフン尿を堆肥化して水田に戻し、酪農による循環をつくり上げている。その成果物であるミルクやチーズを商品化しているが、「最終成果物は時代に合わせて変わっていけばいい」というのが代表の中島大貴さんの考えだ。
中島さんは2021年、塩田津にカフェMILKBREW COFFEEをオープンし、ミルクブリューという新しいコーヒーの飲み方を発信している。ミルクブリューとは、水を使わず牛乳にコーヒー豆を浸して抽出することで、ミルクのコクと豆のフルーティな香りをダイレクトに楽しめる。
「カフェでカフェラテを飲むとき、コーヒー豆の情報はあっても、牛乳がどこのものかを伝えるカフェは多くありません。牛乳もこだわりの “クラフトミルク”を選ぶ意識をもってもらいたいと考えて、カフェでドリンクを販売するだけでなく、ミルクブリュー用のコーヒー豆を販売し『牛乳は皆さんの地元産のものを使ってミルクブリューコーヒーをつくってください』と提案することを続けています」
目指すのは、酪農の循環を通した新しいカルチャーの創出と、その先にある多様で持続可能な未来の実現だ。
ミルクブリューを飲んで
微生物の営みによる循環を意識
世界とつながっていたシュガーロードに出店
MILKBREW COFFEE
住所|佐賀県嬉野市塩田町馬場下甲727
Tel|080-3221-0871
営業時間|10:00〜16:00 、土・日曜〜17:00
定休日|月・火曜
アクセス|車 長崎自動車道武雄北方ICから約20分/電車 JR肥前鹿島駅からタクシーで約10分
http://milkbrew.co.jp
循環の中から生まれる、美味しい最終成果物
ナカシマファーム
住所|佐賀県嬉野市塩田町大字真崎1488
Tel|090-5293-8680 営業時間:11:00〜16:00、土・日曜10:00〜
定休日|月・火曜
アクセス|車 長崎自動車道武雄北方ICから約20分/電車 JR肥前鹿島駅からタクシーで約10分
text: Akiko Yamamoto photo: Hiromasa Otsuka
2022年10月号「旅で、ととのう。」