FOOD

名店は路地裏にあり!那覇でハシゴ酒
Part 4|ノンフィクションライター・藤井誠二
《あの人に聞く、友人を連れて行きたい沖縄》

2022.7.28
名店は路地裏にあり!那覇でハシゴ酒<br><small>Part 4|ノンフィクションライター・藤井誠二<br>《あの人に聞く、友人を連れて行きたい沖縄》</small>
※画像はイメージ Photo:master1305

ディープな沖縄を知るなら、実際に住んでいる人に聞くのが一番!好奇心旺盛な友人を連れて行くならどこへ行く?それぞれの人の得意分野で教えてもらいました!

教えてくれたのは……
藤井誠二(ふじい・せいじ)さん

愛知県生まれ。東京と沖縄の2拠点生活を送る。『沖縄アンダーグラウンド』(講談社)で、第5回沖縄書店大賞・沖縄部門大賞受賞。近著に『沖縄の街で暮らして教わったたくさんのことがら』(論創社)がある

≪前の記事を読む

十数年続けている沖縄と東京の2拠点生活を振り返ってみますと、東に旨いものがあると聞けば駆けつけ、西に唸らされる味があると知れば飛んで行き、南に死ぬまでに食べておくべき逸品があると言われれば訪ね、北に稀少な伝統食ありと教えられれば探し求め、それに相性のいい酒を浴びるように飲んできました。最近は加齢のせいで、かつてほどの飲み食いはできなくなりましたが。ですから仕事部屋は那覇市の中心部にあるので、取材などで遠出する以外は徒歩圏内で腹を満たしています。東京在住やその他の地域の友人知人が那覇に来たときは、僕が普段使いしている店に連れて行きます。たとえば安里(あさと)にある「すみれ茶屋 たちふじ」は食べログなどではヒットしませんが、地元の常連さんに愛される老舗です。仕入れてきた地魚をいろいろな方法で食べさせてくれますが、マース(塩)煮は絶品です。処理した魚を塩で煮るだけ。そこにアーサー(海藻)と島豆腐をいっしょに煮てもらえます。この滋味深さよ。

泊の住宅地に佇む「立ち呑み処 串豚」という立ち飲みのモツ焼の店があります。いま那覇の繁華街は立ち飲みブームですが、この店は立ち飲み客が肩を寄せ合って飲むというスタイルの草分け的存在です。沖縄では豚肉料理が有名ですが、ホルモン(豚が中心)を部位ごとに串に打って焼いて食べる食文化は皆無に近かった。その分野でも先駆者です。新鮮な内臓肉や稀少部位を丁寧に仕込み、絶妙な火加減で焼き上げる技術はいつ来ても唸らされます。冬場は豚ののど肉(げんこつ大)を丸ごと煮込んだ具も入ったおでんもあります。

牧志(まきし)の市場通りのアーケード通りに面している「米仙(こめせん)」は“センベロ”が売りの寿司屋です。北海道出身で東京・銀座でも修業した大将が握るおまかせ江戸前握り5貫と酒2杯で1000円。酒のおすすめは日本酒。銘柄は店におまかせですが、東京ならグラス1杯1000円近くするであろう純米酒がいつも用意されています。この店以上のお得感と僕は出合ったことがありません。一時期は沖縄滞在中はほぼ毎日通っていたほどです。石垣牛の握りが1貫100円!なんです。

そこから数十m先にあるクラフトビール専門店の「浮島ブルーイング」では、つまみがなくても、ビールの旨みや苦みだけで何杯でも味わえ、ビールの概念が変わります。もちろん、つまみも気が利いてます。

栄町は拙宅にいちばん近い繁華街ですが、規模は小さいですが公設市場があり、飲み屋は場内と場外に分かれていて、場内で金曜と土曜だけ暖簾を出す「おとん」は外せません。大阪出身の大将の出すつまみは「いか焼き」など関西系中心ですが、「軟骨ソーキポン酢」や「冷やしゆし豆腐」など沖縄系をアレンジしたものも食べられます。どれもシンプルで美味しい。

国際通りに面して「沖縄色」を前面に打ち出した飲食店が並んでいます。中には唸らされる料理を供する店もありますが、安価で美味しい店は、実はあまり目立たない路地や繁華街の外れにあるものです。

すみれ茶屋 たちふじ
住所|沖縄県那覇市字安里48-201
営業時間|17:00〜22:30(L.O.)
定休日|不定休

立呑み処 串豚
住所|沖縄県那覇市泊1-22-16
営業時間|17:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日|日曜
Instagram|@tachinomidokoro

米仙
住所|沖縄県那覇市松尾2-10-20
Tel|098-917-4711
営業時間|17:30〜23:00(仕入れの状況変動あり)
定休日|水曜、不定休あり

浮島ブルーイング
住所|沖縄県那覇市牧志3-3-1 水上店舗第二街区3F
Tel|098-894-2636
営業時間|17:00〜23:00(L.O.22:00)
定休日|水曜
https://www.ukishimabrewing.com/

おとん
住所|沖縄県那覇市安里379-21 栄町市場内
Tel|090-9049-1723
営業時間|18:00〜24:00(L.O.23:00)
定休日|日〜木曜

 

無農薬島野菜や
ヴィーガンカルチャー

 
≫次の記事を読む

text: Aya Honjo illustration: Hitomi Iha
Discover Japan 2022年7月号「沖縄にときめく/約450年続いた琉球王国の秘密」

沖縄のオススメ記事

関連するテーマの人気記事