関東のクラフトビール18選

いまや日本各地で造られているクラフトビール。土地や銘柄ならではのこだわりが感じられるのも、クラフトビールの魅力のひとつだ。今回はビアライター・ビアソムリエとして活躍する富江弘幸さんが、数あるブルワリーの中から厳選。いま知っておくべき関東エリアのブルワリーとクラフトビールを紹介します！

〜茨城県〜

老舗蔵元が造るビールはメイド・イン・ジャパンで世界に挑戦

常陸野ネストビール

江戸時代から続く老舗蔵元「木内酒造」が平成に入り、新たにビール造りを志したのがはじまり。扱いが難しく輸入が主流のホップ栽培にも挑戦するなど、地元の素材を積極的に使った「メイド・イン・ジャパン」のビールで海外からの評価も高く、現在は世界40カ国以上に輸出している。2002年にはビール業界のオスカー賞といわれる「The Brewing Industry International Awards」で、ホワイトエールが総合チャンピオンを受賞。木内酒造本社には、蕎麦とビールが味わえるレストランと、自ら好みのビール造りを体験できる手造りビール工房を併設している。
富江さん（以下、富）世界的にも人気のブルワリー。日本原産の原料や地元の原料を使ったビールも醸造しています

・セゾン・ドゥ・ジャポン

・ニッポニア

・だいだいエール

・ホワイトエール

・ペールエール

〜埼玉県〜

色から“選ぶ”個性豊かなビールはドイツ直伝の正統派

COEDOクラフトビール醸造所

「紅赤」、「漆黒」、「白」など、レギュラービールを色にちなんでネーミング。個性豊かな各ビールの味わいを色から想像することで、“選ぶ”楽しみを提唱している。シンプルかつスタイリッシュなボトルに入ったビールは、ドイツのブラウマイスターから伝授された正統派。世界的なコンテストでも高い評価を得ている。
富「紅赤は川越のサツマイモを使用。海外でも大人気です！」

・COEDO 紅赤–Beniaka–

・COEDO 毬花–Marihana–

・COEDO 伽羅–Kyara–

〜千葉県〜

最高位資格をもつビール職人が手間暇かけて醸造

ハーヴェスト・ムーン ブルワリー

千葉県舞浜の「イクスピアリ」内にある地ビール工房で、ビアテイスターの最高位資格「マスター・ビアジャッジ」が在籍していることでも知られる。ビール本来の味わいにこだわった、癖のないビール造りで人気。工房に隣接したレストランでは、料理に合わせてセレクトしたさまざまなビールを楽しむことができる。
富「イクスピアリの中でクオリティの高いビールを造っています」

・シュバルツ

・ペールエール

・ピルスナー

〜東京都〜

東京が失ったものを取り返すべく伝統的な製法を守る

T.Y.HARBOR Brewery

東京都心のベイエリア・天王州で東京産のクラフトビールを造り続ける。自然の原料のみを使い、発酵食品の恵みを最大限に生かすため、すべてのビールを無ろ過にこだわるなど、伝統的な製法を守る姿は、大量生産で消費を拡大してきた首都の歴史に抗うようだ。その品質を保つため、新鮮なビールが飲めるのは醸造タンクから直接届けられる自社レストランがメイン。多様なコンセプトの店舗を揃え、レストランへの来店をきっかけにファンになる愛飲者も多いという。定番ビールは飲みやすさを重視する一方、ブルワーのアイデアを生かした個性派ビールも多い。
富「天王洲アイルで造られる雑味のないビール。羽田空港限定の羽田スカイエールも要チェック！」

・ウィートエール

・アンバーエール

・ペールエール

・羽田スカイエール
ジャパングルメポートなど空港内の複数のレストランで生ビールが楽しめる。専用パッケージに入った2本入り（1540円）は空港限定土産としても人気

季節を感じる期間限定ビールに注目！

サンクトガーレン

四季を大切にする日本のクラフトビールでは、多くのシーズナル（季節限定）ビールが造られ大人気。中でもサンクトガーレンの通称“ショナゴ”は最注目！

1994年に日本で地ビールを解禁する以前から、アメリカで小規模ビールの醸造を行っていた“元祖地ビール屋”。香りを重視したエールビール造りにこだわり、季節ごとに製造されるスイーツビールが毎年話題に。

・YOKOHAMA XPA

・湘南ゴールド　4～9月限定

・パイナップルエール

 

地域の特色が個性となるクラフトビール。気になるエリアから、あるいは自分の住んでいるエリアから、お気に入りのブルワリーを探してみてはいかがだろうか。

文＝武田康広（ケディトリアル）　写真＝野中弥真人　監修＝富江弘幸
2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある？ 」

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※お酒は二十歳になってから。未成年者への酒類の販売は固くお断りします。

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