ビールの原料は何か言えますか?ビールの基礎知識①
日本酒やワインのように嗜好性が高いビールは、醸造背景やビアスタイルなど、ポイントを知っていることでよりいっそう楽しめる。今回、ビールをさまざまな角度から紐解き、3回に分けて紹介する初回。味の特徴をつかんで運命の一本を見つけよう!
Q1.ビールは何でできているの?
ビールの原料は、主に水、麦芽(モルト)、ホップ、酵母の4つ。それにフルーツなどを加え、個性を出す場合も。 クラフトビールは、これらの原料にあらゆる醸造の工夫を施し、自由に組み合わせてこだわりのテイストを実現した作品といえるだろう。
よく聞くホップとは、ビールのテイストを左右する原料の花形。ビール特有の苦みや、柑橘を思わせるフレーバーづけにもひと役買う。また、酵母は発酵を行う菌類のこと。ビール造りにはエール酵母やラガー酵母と呼ばれるものがよく使われるが、日本酒に使われる酵母を使用しているものや、醸造家のヒゲから採った酵母を使用しているものも。ブルワリーにより、原料に対する哲学も異なる。これらの原料をいかに使い、どのような味わいに仕上げるのか? 味のデザインそのものがビールの命題なのだ。
Q2.ビールはどうやって造られるの?
ビールの醸造には、主に7つの工程がある。ポイントは「原料からアルコール飲料にする」ということ。工程の7割は、麦芽がもつ栄養素をアルコールと二酸化炭素に分けること。麦芽はデンプンを含んでいるが、そのままではアルコールにできないため、まずはデンプンを糖に変える「糖化」を行い、その後「ろ過&煮沸」。きれいになった麦汁を、酵母が活動できる温度に調整するとやっと麦汁内の糖からアルコールとCO₂が生成(これが発酵)される。
ちなみに発酵でできたものを若ビールと呼び、飲むこともできるが、雑味が多いため熟成を図るのが醸造の主な流れ。これを知っていると、味の勘所がわかり、“ビアトーク”が弾むかも?
文=瀬名清可(Weekend.) 写真=山北 茜、野中弥真人 イラスト=makomo
2019年7月号 「うまいビールはどこにある?」
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