東海のクラフトビール10選

いまや日本各地で造られているクラフトビール。土地や銘柄ならではのこだわりが感じられるのも、クラフトビールの魅力のひとつだ。今回はビアライター・ビアソムリエとして活躍する富江弘幸さんが、数あるブルワリーの中から厳選。いま知っておくべき東海エリアのブルワリーとクラフトビールを紹介します！

〜静岡県〜

人一倍の探究心で素材にこだわる個性派ビールを発信

ベアードブルーイング

カリフォルニアでビール醸造を学んだベアード夫妻のブルワリー。伊豆・修善寺の豊かな自然の中で、ホップや野菜、果樹の無農薬栽培にも取り組み、日本酒造りで使われる「白麹」を利用した酸味のあるビール造りに挑戦し、飽くなき探求心で個性的なビールを生み出している。7店舗の直営ビアバーにも注目。
富江さん（以下、富）「個性とクオリティが両立したビール造りを行っています」

・スルガベイインペリアルIPA

・ライジングサンぺールエール

・わびさびジャパンペールエール

〜三重県〜

伊勢神宮のお膝元で基本に忠実なビール造りを実践

伊勢角屋麦酒

銘菓「二軒茶屋餅」で知られる1575（天正3）年創業の老舗が、1997年に新たな挑戦としてビール工場を開設。明治期に伊勢で造られていた「神都麥酒（しんとビール）」の思いを受け継ぎ、上面発酵酵母にこだわったビールを製造。ビール造りの基本を押さえた丁寧な仕込みなど、徹底した技術力に定評がある。
富「ペールエールがフラッグシップ！　「ねこにひき」も人気」

・伊勢角屋ペールエール

・ニューイングランドIPA ねこにひき

・ヒメホワイト

〜愛知県〜

名古屋の中心から実力派ビールを発信

Y. MARKET BREWING

ボトルのイメージが強いクラフトビールだが、新工場を開設して缶ビール製造をはじめたY. MARKET BREWINGのように、缶に力を入れる醸造所もある。

オフィスビルが立ち並ぶ名古屋駅前で、2014年に醸造をスタートしたブルワリー。有名ブルワリーの元醸造長2人を迎え、定番から期間限定ビールまで、これまで200近い種類のクラフトビールを発信している。職人のこだわりを詰め込んだホップの香りと苦みを大切にしたビールで、瞬く間に需要が広がり、2019年2月には新工場をオープン。そこで造られる缶ビールは都会らしい、スタイリッシュなデザインにも注目だ。

・ヒステリックIPA

・パープルスカイ ペールエール

・ホップセダクション・セッションIPA

 

・まるはちIPA

 

地域の特色が個性となるクラフトビール。気になるエリアから、あるいは自分の住んでいるエリアから、お気に入りのブルワリーを探してみてはいかがだろうか。

文＝武田康広（ケディトリアル）　写真＝野中弥真人　監修＝富江弘幸

2019年7月号 特集「うまいビールはどこにある？ 」