とらやの羊羹に使われる和紅茶も
自然栽培にこだわる
「天の製茶園」の挑戦【後編】
熊本県の最南部、鹿児島との県境に位置する水俣市。鹿児島や宮崎に比べて産地の知名度は低いものの山間部ではお茶づくりが盛んに行われている。水俣川の源流域の石飛高原でお茶をつくる「天の製茶園」は、水俣を代表する茶園のひとつ。自然栽培のお茶、自生のお茶を活用して見据える日本のお茶の未来とは? 3代目の天野浩さんにうかがいました。
紅茶、緑茶、烏龍茶、ブレンド……
「天の製茶園」の多様なラインアップ
芳醇な焙煎香が特徴の代表銘柄
「天の紅茶」
通常の倍の温度で乾燥させることで、キャラメルのようなオリジナルの焙煎香をまとう。カフェインがほとんど含まれないため飲み疲れず、食中茶にも◎。
太陽を浴びた茶葉の深みを堪能
「天の上紅茶」
天の紅茶が夏摘みの茶葉を強く焙煎するのに対し、上紅茶は春摘みで焙煎も軽やか。香り高い茶葉の風味を生かす。和洋の菓子はもちろん味噌にも合う。
花のような香りとコクが楽しめる
「天の紅茶 サヤマカオリ」
「ティーカップで楽しむ香り高い紅茶を」と生まれたのが、緑茶品種としても人気のさやまかおりを使った紅茶。リセットの一杯に最適。
身体がポカポカ芯から温まる
「天のしょうが紅茶」
「さやまかおり」に無農薬栽培のショウガをブレンド。ショウガを軽く炒ることでショウガ飴のような甘さと香ばしさが。濃いめに出してミルクティーにも。
飲み手や飲み方を選ばない万能茶
「天のほうじ茶」
夏摘みの釜炒り緑茶を焙煎したまろやかなほうじ茶。香りが高くすっきりした後味は、2杯、3杯と飲み進めるのにもぴったり。水出しでも美味しい。
稀少な国産烏龍茶は優しい味わい
「天の烏龍茶」
香りを楽しむ中国の烏龍茶に近いつくりで、苦みが少なくほのかな甘みを感じられる。夏摘みの緑茶を半発酵させてつくる、さっぱりした味わいが特徴。
お茶らしいキリッとした渋みが爽やか
「天の煎茶」
さやまかおりの一番茶を蒸してもみ、針金のように細い棒状に整形。香ばしく、甘みと渋みのバランスがいい。同品種の緑茶と紅茶を飲み比べてみては?
日陰で旨みを増した在来の茶
「かぶせ深蒸し茶」
摘む前に10日ほど囲いをし、在来の茶の水色と旨みを強く引き出した。一般的な緑茶に慣れた人にも、在来のお茶の魅力を伝えたいと開発された商品。
癖のない爽やかな味と香り
「天のぐり茶」
ぐり茶とは、茶葉の乾燥時に回転ドラムの遠心力で丸くよじれさせた玉緑茶のこと。九州独特の製法だという。甘みと奥行きのある「やぶきた」を使用。
上品な香りのスパイスティー
「山椒ニッケ紅茶」
上紅茶に、山で採れた山椒とニッケ(肉桂)をブレンドした風味豊かな紅茶。山椒と甘いシナモン香がふわりと漂う。ミルクを加えてチャイにも。
甘く清らかな香りに癒される
「金木犀紅茶」
乾燥させた金木犀の花と上紅茶をブレンド。香料は一切使用していないため、フレーバーティーの強い香りが苦手な人にもおすすめ。
甘い香りとすっきりとした後味
「オリーブ紅茶」
ローストした熊本産オリーブの葉を上紅茶にブレンドした、すっきり爽やかな紅茶。オリーブはローストすることで、焼き芋の皮のような風味に。
天の製茶園
Mail|amanoseicyaen@gmail.com
Fax|0966-69-0918
text: Akiko Yamamoto photo: Yoshihito Ozawa
Discover Japan 2021年11月号「喫茶のススメ お茶とコーヒー」