FOOD

赤えんどう豆が香ばしい。
長野県小布施町 桜井甘精堂の「善光寺落雁」
福田里香の民芸お菓子巡礼

2021.10.11
赤えんどう豆が香ばしい。<br>長野県小布施町 桜井甘精堂の「善光寺落雁」<br><small>福田里香の民芸お菓子巡礼</small>
「善光寺」の題字を打ち出した落雁は、食べるのがもったいないほど美しい。善光寺落雁平(432円)

民芸とお菓子の甘い関係をひも解いていく、お菓子研究家・福田里香さんの《民芸お菓子巡礼》。今回は、良質な赤えんどう豆を原料にした、善光寺詣の旅土産として愛され続ける香り高い、桜井甘精堂の打菓子「善光寺落雁」を紹介します。

福田里香(ふくだ・りか)
お菓子研究家。書籍や雑誌を中心に活躍。12年間にわたり続いている本連載をまとめた書籍『民芸お菓子』が小社より発売中

栗をモチーフにした鳥居作の包装紙

「桜井甘精堂」は、長野県小布施の地で創業200年を数える老舗菓子舗です。栗菓子で名高いお店ですが、赤えんどう豆を原料にした素晴らしい銘菓があるのをご存じですか? それが「善光寺 落雁」です。

長野市に位置する善光寺は、644年に創建された無宗派の単立仏教寺院。「牛に引かれて善光寺参り」という民話から「思ってもいなかったことや他人の誘いによって、よいほうに導かれることのたとえ」になったほどの名刹です。

善光寺落雁は1970(昭和45)年に善光寺から名称使用の許可を得て以来、善光寺詣でのお土産として愛され続ける香り高い打菓子です。昔ながらの製法で仕上げた赤えんどう豆の香ばしさと穏やかな甘みは心に染みる美味しさで、お茶はもちろん、コーヒーのお供にも。

題字に箱絵、包み紙と一手に意匠を手掛けているのは、郷土玩具画家としても活躍した型染め作家の鳥居敬一です。名刹の空に舞う可憐な鳥は「落雁」に掛けて「雁」かな? と気になり、今回お店におたずねしたら「鳩」でした。

手提げ袋の栗に思わずにっこり

桜井甘精堂
住所|長野県上高井郡小布施町大字小布施774
Tel|026-247-1088
営業時間|8:30~18:00
定休日|なし
https://www.kanseido.co.jp/

text: Ricca Fukuda photo: Wakana Baba
Discover Japan 2021年11月号「喫茶のススメ」

長野のオススメ記事

関連するテーマの人気記事