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「シネマネコ」青梅に誕生した映画館は、有形文化財×最先端設備?!のサステナブルデザインシアター

2021.6.13
「シネマネコ」青梅に誕生した映画館は、有形文化財×最先端設備?!のサステナブルデザインシアター

かつて映画の街として賑わっていた、映画看板があることでも知られる東京都青梅。約50年前に映画館がなくなった街で、東京最西端のミニシアター「シネマネコ」が復活した。使用されている建物は昭和初期に建設された有形文化財。東京唯一の「木造建築×最先端の映画設備」を備えた映画館とは……?

シネマネコ外観

街から消えた映画館を復活させ笑顔を届けたい。

いまでも映画看板がところどころに飾られ、かつての賑わいを感じさせる昭和風情漂う青梅。当時街には3館の映画館があり、人々をエンターテインメントに夢中にさせていたが、約50年前にすべて廃館。街にはひとつも映画館がなくなってしまった。エンターテインメントの香りを残す街に住みながらも、映画を観たいと思えばわざわざ電車や車で市外に出るほかない地元住民が、もっと気軽に映画に触れられる場所を、かつて映画の街として賑わった青梅にもう一度映画館を復活させたいと立ち上がったのが、代表・菊池康弘さんだ。

シネマネコ代表・菊池康弘さん

故・蜷川幸雄氏のもとで俳優を志し、その後地元青梅に自らの飲食店を経営していた菊池さん。「飲食店以外のことでも、もっと多くの人を笑顔にできる、感動してもらえることはないか」と考えていたときに、店を訪れた客の「青梅にも昔は映画館があったのに、いまは街のどこにもない。あったら嬉しいんだけど……」というひと言をきっかけに、かつてエンターテインメント業界に身を投じていた縁もあり、青梅に再び映画館を作り、映画というエンターテイメントの力で街全体に笑顔を届けたいという想いでプロジェクトが始まった。

貴重な文化財を、映画館として人々が利用できる建物へ

現在東京都でただひとつの木造建築の映画館であるシネマネコ。使われている建物は、青梅織物工業協同組合の敷地内にある、昭和初期に建てられ旧都立繊維試験場として使われていた場所。国登録有形文化財の貴重な木造建築物をリノベーションすることで、貴重な文化財を保存するだけではなく、古くから残っている街の建物を有効活用し、人々が活用できる場としての映画館づくりを目指してシネマネコは誕生した。

館内の特徴は、木の温かさと開放感のある天井やたっぷりと光を取り込む大きな窓。どこか懐かしさと自然の豊かさを感じられる空間でありながら、シアタールームではこだわりの最新技術による映画設備を備える。360度取り囲むスピーカーは臨場感のある音響を生み出し、最高品質の体験をさせてくれる。自然の温もりを感じながら​ハイスペックな設備環境で映画鑑賞をする新感覚が味わえる。

シアターの椅子は、閉館した新潟県十日町のミニシアターで使用していたもの。「ここで廃棄してしまうより使ってくれる映画館に譲りたい」という館長の想いを受け継いでいる。運ばれてきた椅子は、大切に保管されていたことがひと目でわかるほど綺麗な状態だったのだとか

映画鑑賞だけではなくカフェとしても

映画館には自然を感じる大きな窓と壁一面に並んだ書籍を備えたカフェも併設。映画が始まるまでの時間をカフェで過ごすもよし、鑑賞後にお茶をしてひと休みしてから帰るもよし。カフェだけの利用も可能なので、気になる本を探しに来たり、自分だけの憩いの場としても利用できる。

振る舞われるのは、地元商店街のパン屋の手作りパンを使ったフレンチトーストや地元のケーキ屋とコラボしたケーキなどのオリジナルメニュー。厳選された有機栽培のコーヒーとの相性も抜群だ。

そのほかアートギャラリーや、オリジナルグッズの展示販売なども行われる。

壁一面の本棚には厳選された本が並ぶ。お気に入りの一冊と出合えるかも?

わざわざ訪れる価値を持ちながらも気軽さのある空間は、地元住民のサードプレイスとしてもぴったり。新たな映画館の形を提案しながらも「人と映画と文化」を紡いでいく場所となりそうだ。

CINEMA NEKO
住所|東京都青梅市西分町3-123 青梅織物工業協同組合敷地内
休館日|火曜
時間|9:00~18:00
Tel|0428-84-2636
Mail|info@cinema-neko.com

text=Discover Japan


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