有田焼ホッピング!
約400年前に誕生したニッポンの磁器を求めて。
日本を代表する伝統工芸・有田焼。佐賀県有田町には、産地ならではの多彩な楽しみ方ができる場所が充実している。うつわ好きなら訪れておきたい、有田町をいざホッピング!
うつわラバー必見!五感で楽しむ有田焼の旅
白くなめらかな地肌をもつ有田焼。白磁や青磁、染付など多彩な表現があり、柿右衛門様式や様式に代表される華麗な色絵作品は古くから人気を集めてきた。その歴史は17世紀初頭、朝鮮人陶工の李参平が佐賀県有田町の泉山で原料の陶石を発見し、日本初の磁器を制作したことにはじまる。
泉山磁石場はいまも大切に守られ、採掘跡には言葉を失うほどの荘厳さが漂う。町を歩けば、国の保存地区に選ばれた風情豊かな通りや点在する窯元の煙突などにも焼物の里らしさが感じられる。
「今村製陶 町屋」を筆頭に、店での買い物を楽しんだり、スタイリッシュな空間での滞在と有田焼で供されるフレンチが新しい「arita huis」や金継ぎ体験ができる「庵久」など、有田焼に触れられるスポットも充実。うつわ好きの心を躍らせる旅がここにある。
【買う】
優しい白が特徴の
「JICON 磁今」を。
今村製陶 町屋
端正な造形と温かな生成り色が特徴の「JICON 磁今」のうつわ。創業約350年の「陶悦窯」13代の次男・今村肇さんがデザイナーの大治将典さんを迎えたブランドだ。全製品が揃う直営店では今村さんセレクトのうつわや大治さんデザインの日用品も販売。
【泊まる】
モダンな空間が美しい
オーベルジュ
arita huis(アリタハウス)
2018年に開業したオーベルジュ。館内デザインは『2016/arita』を手掛けた柳原照弘さんが監修。11の客室があり、レストランでは佐賀近隣の食材を使うモダンフレンチを有田焼で提供。1泊朝食付き1万円〜
住所:佐賀県西松浦郡有田町赤坂丙2351-169 アリタセラ内
Tel:0955-25-8018(受付9:00〜22:00)
営業時間:ランチ11:30〜15:00(L.O.14:30)
ディナー18:00〜22:00(アラカルトL.O.21:00)
定休日:なし
http://aritahuis.com
【体験する】
有田で“金継ぎ”が
できるのはここだけ。
庵久(いおりひさし)
唐津焼作家・鶴田純久さんの指導で金継ぎや蒔絵などの体験ができる工房。金継ぎは手に入りやすいエポキシ樹脂を使用。用意されたうつわで手順を学べる3時間9000円の体験のほか、愛用のうつわを持ち込んで金継ぎする2日間コースも。いずれもサイトから要予約
Discover Japan 12月号「いま世の中を元気にするのは、この男しかいない。」
文=吉永美代 写真=大塚紘雅