「粉がらし」の使い方・アレンジレシピ
|料理研究家・寺本りえ子伝授の和スパイス
粉がらしを練ると、からしとはそもそも植物の種であると実感するほど風味が豊か。練りたての風味は格別だ。今回は和がらしを使ったアレンジレシピ3つを、料理研究家・寺本りえ子さんに教えてもらった。
寺本りえ子(てらもと りえこ)
宮崎県出身。フードディレクター、料理研究家、発酵食愛好家。飲食店のアドバイザー、フリースクールでのランチづくり、食育にも力を入れる。スパイス・ハーブ料理やぬか漬け、柚子胡椒のワークショップも人気。10〜11月まで開催の柚子胡椒ワークショップのお知らせはInstagramを参照(@rieko_teramoto)。
和がらし(粉がらし)とは?

和がらしは、からし菜の種子を乾燥させて粉にしたもの。生産地により風味や辛みが大きく異なる。日本で古い歴史がありながら、現在、国産和がらしは稀少だ。自然なからし色の粉をぬるま湯で練ると、ほんのり苦みを感じる。時間とともに爽やかな香りと辛みが出て、まろやかな旨みが広がる。
〈おすすめレシピ〉
01|和がらしソース with ゆでダコ
クリームチーズをベースに白味噌、豆乳を合わせ、そこに和がらしと甘みを加えたソースが絶品。これさえあれば、ゆでダコや煮豚、ゆでたブロッコリーなどがしゃれたつまみになる。

【材料(和がらしソース)】
粉がらし 小さじ1/2(同量のぬるま湯で練っておく)
クリームチーズ 大さじ3
白味噌 大さじ1
豆乳 大さじ1
ハチミツ、またはメープルシロップ 小さじ1
【つくり方】
①粉がらしは同量のぬるま湯で練り、15分以上置いて辛みを出す。
②ボウルにからし以外の材料を入れてよく混ぜ、①を加えてよく混ぜ合わせる。
02|肉入りからしレンコン
肉だねに練りがらしを加え、レンコンの穴に詰めたからしレンコン。米粉と卵の衣にターメリックで色づけすると、見た目もエキゾチックに。からしの量は好みで調整を。

【材料】
レンコン 150g
豚挽き肉 100g
白味噌 50g
みりん 30g
粉がらし 小さじ1~大さじ1(お好みで。同量のぬるま湯で練っておく)
・揚げ衣
米粉、水 各50g
卵 1個
塩 少々
好みでターメリック 適量
【つくり方】
①レンコンは皮ごと柔らかく蒸し、縦半分に切り、1.5㎝厚さに切る。
②粉がらしは同量のぬるま湯で練り、15分以上置いて辛みを出す。
③ボウルに豚挽き肉、白味噌、みりんを混ぜ、②を加えて混ぜ、レンコンの穴に詰める。
④混ぜ合わせた揚げ衣に3をくぐらせ、170℃の油で色よく揚げる。
03|カツオのからし酢味噌和え
カツオやマグロといった赤身の魚は、わさびよりもからしとの相性がいい。からし酢味噌で拍子木に切った鰹と長芋を和えるのだが、名脇役は甘酢に漬けたタマネギ。甘みと酸味、タマネギの風味で全体の味が締まる。

【材料】
カツオ(刺身用) 1/2サク
長芋 150g
赤タマネギ 1/2個
おかひじき ひとつかみ
甘酢適量
・からし酢味噌
粉がらし 小さじ1/2(同量のぬるま湯で練る)
酢 大さじ1と1/2
白味噌 大さじ1
ハチミツ 小さじ1
みりん 小さじ1
醤油 小さじ1
【つくり方】
①粉がらしは同量のぬるま湯で練り、15分以上置いてて辛みを出す。
②カツオと長芋は1㎝幅の拍子木切りにする。
③赤タマネギは5㎜幅のくし切りにし、塩もみして水気を絞り、甘酢に漬けて10分程度置いて軽く絞る。
④からし酢味噌の材料を混ぜ合わせる。
⑤ ②、③、④を混ぜ合わせてうつわに盛り、おかひじきをのせる。
今回使った粉がらしをご紹介

ほどほど屋エイト|https://hodohodoya8.com(オンラインストア https://hodohodoya.stores.jp)
飯尾醸造|https://iio-jozo.com
京都府綾部市で稀少な和がらし栽培を手掛ける「ほどほど屋エイト」。日本古来の黄からし菜を、肥料も農薬も使用せずに育て、種子を取り、石臼で挽いて粉がらしに。
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text: Yukie Masumoto photo: Atsushi Yamahira
2025年11月号「実は、スパイス天国ニッポン」



































