千葉麻里絵さんがおすすめする
和、洋、中、それぞれに合う家呑み日本酒

どんな料理にも合うのが日本酒の魅力。そんな家呑みにぴったりな懐の深い3本の酒を、日本酒ペアリングに定評のあるGEM by motoの店主 千葉麻里絵さんに教えてもらいました。この機会に家呑みを極め、ペアリングの勘も育ててみませんか？

［和］
温度帯を変えて
幅広い料理に

「無窮天穏 齋香（むきゅうてんおん さけ）」は合わせる料理の温度によって冷やしても温めても美味しいです。湯豆腐などの鍋にちろりも一緒に入れてしまって、燗付けするような飲み方をしても大丈夫。お酒の神様がついているようなお酒なので、飲み手がある程度自由に扱っても、それに対応していいほうにお酒のほうが変化してくれます。会話や読書のお供にするときは、常温でのんびり飲むこともできます。保存も常温でOKです。

［洋］
オイルを柔らかく
包む甘酸っぱさ

「Mixseed Seriesしゅわわっ–Tart Rosé –」は陸奥八仙で知られる八戸酒造の「ミクシードシリーズ」のひとつです。微発砲でさくらんぼのような甘酸っぱい味わい。イタリアンのオリーブオイルやチーズと穏やかな酸が柔らかくマッチします。冷やして飲んでよし、氷を入れて粉山椒を振りかけるとさらに爽やかになります。

［中］
濁り酒サワーで
辛みをウォッシュ

「生酛のどぶ」は辛口の濁り酒で、グラスに氷を入れて炭酸水で割ってハーフアンドハーフにすると、すっきりしたサワーに。中華料理の油や辛みをウォッシュしてくれて、炭酸でますます食欲増進。好みでレモンやかぼすなどの柑橘を搾って爽やかに。ジャムを入れるのもおすすめです。

店では、料理と日本酒でピンポイントな感動あるペアリングを提案しています。今回は家でじっくり楽しむという考え方で、お母さんのごはんと味噌汁みたいな飲み飽きない酒をセレクトしました。

自分でペアリングするとき、一番簡単なのは香りの似た者同士を合わせる方法。日本酒は味わいの8割が香り。もうひとつは、日本酒を「お酒」ではなくソースやレモンなど料理に対する調味料としてとらえる方法。店ではハムカツにどぶろくを合わせる提案をしていますが、要は口内調味の感覚。これを鍛えるとペアリングのイメージがぐっとわきやすくなるはず。

edit Hazuki Nakamori;photo＝Takeshi Okazaki
2020年6月号 特集「おうち時間。」

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