酒器を愉しむ、隠し蔵のある暮らし。
濵田酒造
食事のスターターにハイボール、食中酒として水割り、食後酒としてロックで。一本でオールマイティに味わうことができる本格麦焼酎なら、飲み方に合わせて酒器を選ぶ愉しみがある。
永田宙郷さん
ててて協働組合共同代表、プランニングディレクター。各地の伝統工芸から最先端技術まで必要に応じた再構築やプランニングを行い、地域活性や商品開発に従事
「はじめて飲むお酒はかたちの違う酒器で飲み比べをして、合うものを選びます」
全国各地でつくられる伝統工芸品や商品のつくり手と使い手、伝え手をつなぐディレクターとして活躍するプランニングディレクターの永田宙郷さん。うつわのプロデュース事業にも多くかかわっている永田さんは、酒器次第で酒の味が変わるため、種類や飲み方に合ったうつわ選びも楽しんでいる。
「月に2回ほど会社のメンバーで集まって飲む機会を設けているのですが、はじめて飲むお酒はかたちの違う酒器で飲み比べをして、合うものを選びます。学生の頃に金沢のひがし茶屋街でウェイターとして働いていたのですが、そこではお客さまが『俺は酒はこれで飲む』と酒器を指定していました。お酒を舌のどこに当てるかで味が変わるので、その頃からうつわ選びを楽しむようになりました」
欧米ではフレンチなら白い磁器の皿で、ワインならワイングラスで飲むのが一般的だが、日本では懐石料理では陶器、磁器、漆器、ガラス、木などさまざまな素材の皿が使われる。それと同じように、酒もグラスだけでなく、陶器や磁器、木など素材からうつわ選びを考えると、飲む楽しさも味わい深さも、倍増するという。
福岡出身の永田さんにとって、普段よく飲む酒といえば焼酎。中でも飲み方を選ばない「隠し蔵」は、大人数で集まるときに重宝するのだとか。
「隠し蔵」は、厳選した大麦を白麹で仕込み、減圧蒸留、熟成させた本格麦焼酎。樽貯蔵で生まれる美しい琥珀色と、バニラのような豊かなコクと香りが特徴だ。
「飲み方のスタイルや飲み手を選ばない、懐の深い焼酎だと思います。水やお湯で割っても香りがよく、特に美味しく感じました。飲んでいる間にも温度や馴染み具合で味が変わって、長く楽しめます。お茶割りといったちょっと変わった楽しみ方や、フルーツ漬けも試してみたいですね」
飲み方に合わせた酒器選び
ロック
「九谷焼の蕎麦猪口ですが、酒器はじめいろいろな用途に使えるので重宝。小ぶりのため、家庭でつくった製氷機の氷でロックにしても不恰好にならないのが気に入っています」
蕎麦猪口 丸紋
価格|4400円
問|0761-57-3344(上出長右衛門窯)
水割り
「杉の木目を写し込んだ錫(すず)100%製のタンブラー。親指の部分がくぼんでいて持ちやすい。冷えた感じが手に伝わるのがいい。錫が味をまろやかにしてくれます」
NAJIMIタンブラー – 浮造り
価格|7700円
問|0766-63-0556(能作)
お湯割り
「口当たりが柔らかく、熱伝導率が低いので温かい飲み物にぴったり。温度がゆっくり手に伝わります。冷める前に飲みきれるサイズ感や、軽くて割れにくいのもいいですね」
Cara コップ M
価格|3100円
問|0166-22-6353(高橋工芸)
ソーダ割り
「新素材樹脂を使用したグラス。くぼみを目印にお酒を入れ、ソーダを注ぐと手軽に黄金比率のハイボールがつくれます。お酒が進むと比率がわからなくなってきますからね……」
Plakira カラータンブラーM
価格|2000円
問|03-6455-6908(双円)
「隠し蔵」で自家製果実酒のススメ!
炭酸で割ってハイボールにしてもいいし、お湯割りにして香りを楽しみながらゆったり愉しむのもいい「隠し蔵」。実は果実酒のベースにもいいのです。おすすめはレモンとショウガ、黒糖を漬け込んだ「黒糖レモンジンジャー果実酒」。レモンの酸味にコクのある黒糖の甘味、ショウガのスパイシーさのバランスがいい逸品。強炭酸で割れば、爽やかでスパイシーなレモンサワーになります。
「黒糖レモンジンジャー果実酒」の美味しいレシピを公開!
材料
焼酎(隠し蔵)500ml
国産レモン2個(200~250g)
黒糖100g
ショウガ30g
つくり方
1|レモンをよく水洗いし、水気をふき取る
2|レモンの皮を厚めにむき、2~4つの輪切りにする
3|ショウガをよく水洗いし、水気をふき取る
4|ショウガは皮をむかずに、薄くスライスする
5|瓶に、レモン、黒砂糖、生姜、お好みでレモンの皮を入れる
6|最後に隠し蔵を入れ、すべてを漬け込む
7|1カ月ほどで飲める。1年ほど熟成させるとさらに美味しくなる
※レモンの皮は1週間後、レモンの果肉は3か月後に引き上げてこします。
本格麦焼酎「隠し蔵」
原材料|麦、麦麹
麹|白麹
アルコール度数|25%
価格|521円(300㎖)、1102円(720㎖)、1124円(900㎖)、1953円(1800㎖)※いずれも税別
濵田酒造
Tel|0996-21-5260(お客様相談室 平日9:00〜17:00)
※飲酒は20歳から。飲酒運転は法律で禁じられています。飲酒は適量を。妊娠中や授乳中の飲酒はお控えください。
text: Akiko Yamamoto photo: Atsushi Yamahira
2020年12月号「うつわ作家50」