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ユニークなデザインで楽しむ銭湯4選
|続々と進化を遂げる東京銭湯②

2024.4.2
ユニークなデザインで楽しむ銭湯4選<br><small>|続々と進化を遂げる東京銭湯②</small>

現代の日本において、銭湯はインフラとしての役割から、地域に根ざした交流拠点へと存在意義を変えつつある。
 
今回は東京の銭湯の撮影をライフワークとする写真家・今田耕太郎さんに、ユニークな銭湯4つを挙げてもらった。

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01|東京・西落合《栄湯》

湯にゆったりと浸かりながら、外気浴ができる半露天風呂の「孔子の湯」。浴室は週ごとに男女が入れ替わる

浴場で伝えるのは釈迦と孔子の悟り!?
 
数々の銭湯リニューアルを手掛ける建築家・今井健太郎さんの設計で、1947年創業の銭湯が2017年に一新。スタイリッシュな浴室や、半露天風呂「孔子の湯」、天井に釈迦が描かれた「釈迦サウナ」が人気で、遠方から訪れる人も。「ご主人は別の業務などで多忙な時期でも、“銭湯が自分の原点”とフロントに立つことを大切にされる熱い方です」(今田さん)

天井に極彩色で描かれた釈迦の絵がインパクト大の「釈迦サウナ」。チャクラが開く感覚が味わえるかも!?
風呂は肌にやさしい軟水。近隣の「哲学堂公園」に祀られる哲学者四聖を表した、4色の光が幻想的

住所|東京都新宿区西落合2-6-2
Tel|03-3953-6562 
料金|大人520円、小学生200円、未就学児100円、サウナ+400円 
営業時間|15:00〜24:00
定休日|月・金曜
 
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯、中温湯、水風呂、半露天風呂、サウナ 
備品|貸しタオルセット200円、ドライヤー3分20円
※シャンプー、コンディショナー、ボディソープは備え付け

都営地下鉄の落合南長崎駅から徒歩約10分。住宅街の中のマンションの1階にある。ミントグリーンの暖簾が目印

02|東京・十条仲原《十條湯》

クラウドファンディングを活用して改装した「喫茶深海」。レトロな純喫茶風空間で、喫茶スタッフも新加入

喫茶と入浴で深海世界へ潜る
 
1948年に創業し、現在は2代目・横山宗晴さんが営む。2020年から銭湯継業とコンサルティングを行う「ゆとなみ社」が経営支援に入り、併設した喫茶店を「喫茶深海」としてリニューアル。青いゼリーなど写真映えするメニューが人気で、喫茶店目当てに訪れる人も。「ご主人と女将さんが温かく、はじめて訪れても、心まで温まるはずです」(今田さん)

深海を描いたタイル絵が、ロマンティックな雰囲気の女湯。この絵が喫茶店の店名の由来にもなった

住所|東京都北区十条仲原1-14-2
Tel|03-3900-4600
料金|大人520円、小学生200円、未就学児無料、サウナ+300円
営業時間|15:00〜23:00(日曜は8:00〜12:00、15:00〜23:00) 
定休日|金曜
 
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯、ぬる温、水風呂、サウナ
備品|貸しタオル100円、貸しフェイスタオル30円、ドライヤー2分10円
※シャンプー、リンス、ボディソープは備え付け

現在の建物は1972年から残る。この地で湧く地下水を汲み上げた、まろやかな水質も銭湯の魅力

03|東京・東日暮里《雲翠泉》

湯船が真ん中にあるつくりは東京では珍しいのだとか。「水面にペンキ絵の富士山が映る“逆さ富士”が見られるのは、浴室の真ん中に浴槽がある雲翠泉ならでは」と今田さん

真ん中から見る富士の名画が美しい
 
巨匠・早川利光のペンキ絵や、おとぎ話を描いたタイル絵、中央にある浴槽など、1958年の創業当時の面影をそのまま残す貴重な銭湯。「建具職人の経験があった初代のご主人が手づくりした窓枠や引き戸、腰掛けなどがいまも活躍しています」(今田さん)。現在は娘の池田信子さんが女将を務め、近隣銭湯の若旦那の助言も受けながら、仲間とともに切り盛りする。

折上格天井が美しい脱衣場。窓枠や縁側の引き戸は、創建時の木製のまま。かつては庭に池もあったそう

住所|荒川区東日暮里3-16-4
Tel|03-3801-4126 
料金|大人520円、中学生300円、小学生200円、未就学児無料 
営業時間|15:00〜22:00   
定休日|水曜
 
<銭湯Data>
風呂の種類|深い湯(あつ湯)浅い湯、(中温湯)、薬湯
※日により温度の変動あり 
備品|ドライヤー1回20円(女性はお釜ドライヤー)
※貸しフェイスタオル無料。コンディショニングシャンプー、ボディーソープは備え付け

緑のタイルが彩る木製扉の玄関。名銭湯「帝国湯」とは徒歩数分の距離のため、ハシゴする銭湯好きも少なくない

04|東京・西日暮里《千歳湯》

アーチを描く唐破風(からはふ)屋根が、優美なエントランス。住宅部分が上に増築されたことでアットホームな雰囲気も漂う。正面右には、コインランドリーも併設

美意識であふれた住居付き銭湯
 
「宮造の屋根の上に住居が重なるつくりは、都内の銭湯でも稀少。東京の銭湯建築を語る上で重要な存在です」(今田さん)。現在の女将・佐藤照子さんの義父が1957年に創業し、40年ほど前に脱衣場の上に住居を増築。男湯の脱衣場ロッカーの上に陳列された、初代がコレクションした壺もユニーク。隅々まで行き届いた手入れにも、一家の美意識を感じられる。

男湯・女湯をまたいで描かれた富士山のペンキ絵は、銭湯絵師・田中みずきさん作。湯は地下150mからくみ上げた地下水を使用

住所|東京都荒川区西日暮里4-8-4
Tel|03-3828-0229 
料金|大人520円、未就学児200円 
営業時間|15:30〜24:00   
定休日|金曜
 
<銭湯Data>
風呂の種類|あつ湯、中温湯、薬湯 
備品|ドライヤー3分20円
※貸しフェイスタオル無料。リンスインシャンプー、ボディソープは備え付け

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歴史をそのままに
アップデートした進化系銭湯4選

 
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text: Miyo Yoshinaga photo: Kotaro Imada
Discover Japan 2024年2月号「人生に効く温泉」

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