《魔法の文学館》
作家・角野栄子さんゆかりの江戸川区に
文学の喜びに出合える魔法の館が誕生
代表作『魔女の宅急便』をはじめ、国内外の読者に親しまれている作家・角野栄子さん。彼女を館長に迎え、東京・江戸川区に角野さんの世界観を表現した「魔法の文学館」がオープンした。館内には、角野さん自ら選書した本が並ぶライブラリーをはじめ、人気キャラクターが登場するシアターのほか、カフェやギャラリーがあり、一日中楽しめる。角野ワールドを存分に味わえる魔法の館の魅力を紹介しよう。
角野栄子(かどの・えいこ)
1935 年東京生まれ。3歳から23歳まで江戸川区北小岩で過ごす。出版社勤務を経て24歳からブラジルに2年間滞在。その体験を元に書いた『ルイジンニョ少年ブラジルをたずねて』で、1970年作家デビュー。代表作『魔女の宅急便』は1989年にスタジオジブリ作品としてアニメーション映画化された。2018年児童文学の「小さなノーベル賞」といわれる国際アンデルセン賞作家賞を受賞。
魔法の文学館について
なぎさ公園の丘に建つ魔法の文学館。「フラワールーフ」と名付けられた花びらが広がるような屋根が特徴的な純白の建物は建築家・隈研吾さんが手掛けたもので、周囲の自然と一体となった花のよう。館内の内装デザインは、アートディレクター・くぼしまりおさんが設計。いちご色の世界観は、『魔女の宅急便』の舞台「コリコの町」をイメージしたという。また、おうち型の本棚に囲まれたライブラリーでは、角野さんの作品をはじめ、角野さん自ら選んだ世界の児童書や絵本をゆっくりと読むことができる。
ここだけのオリジナルグッズや特別なメニュー
1階のショップには、角野栄子作品のかわいいキャラクターたちのグッズや角野さんが愛用する雑貨など約100点のアイテムが並ぶ。また、3階の「カフェ・キキ」では、角野さんの作品に登場する料理など、ここでしか味わえない特別なメニューが多数。旧江戸川を一望できる見晴らしのよい空間でゆったりと過ごしてみては。
半年ごとに開催される企画展
2階のギャラリーでは角野さんの活動や児童文学に関する企画展を半年ごとに開催。第1回の企画展は、角野さんが世界各地から集めた“魔女人形”コレクションを展示する「魔女まじょ展」(2024年4月8日(月)まで開催)。魔女について研究の旅をしているという角野さんが出会った魔女たちの暮らしや魔女にまつわるお祭りなどを、旅に同行した写真家・みやこうせい氏の写真と共に紹介。
line
想像力を広げる仕掛けにあふれ、子どもはもちろん、大人もワクワクさせてくれる魔法の文学館。角野栄子作品の世界観やさまざまな児童文学の魅力に、ゆっくりと浸ってみてはいかがだろう。
魔法の文学館(江戸川区角野栄子児童文学館)
住所|東京都江戸川区南葛西7-3-1 なぎさ公園内
Tel|03-6661-3911
開館時間|9:30〜17:30(最終入館16:30)※事前予約制
休館日|火曜、年末年始
www.kikismuseum.jp
text: Discover Japan
Discover Japan 2023年12月号「うつわと料理」