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大分・別府エリア《BEPPU PROJECT》
温泉×アートで感性もととのえる。
|九州観光まちづくりAWARD2023 大賞

2023.10.4
大分・別府エリア《BEPPU PROJECT》<br>温泉×アートで感性もととのえる。<br><small>|九州観光まちづくりAWARD2023  大賞</small>
街の至るところからシューシューッと湯気が上がる様子や、硫黄の香りを感じられる別府。街歩きするだけで、別府の暮らしに溶け込んだアートとのさりげない出合いが期待できる

2022年、大きな反響があった、JR九州が創設した「西九州観光まちづくりAWARD」。2023年は、舞台を佐賀・長崎の西九州エリアから九州全域に拡大し、新たに「九州観光まちづくりAWARD」を発足! 今回は、九州観光まちづくりAWARD2023の大賞受賞者「BEPPU PROJECT」。18年前、一人のアーティストがはじめたアートでのまちづくりは、いまや別府がアートの街として世界に認知されるほどに成長している。

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世界中を魅了する温泉&芸術大国へ。

共同浴場でアート鑑賞!?
「まちのお風呂を地域の宝に」をテーマとして、3つの共同温泉の浴室内にアート作品を制作。「末広温泉」では、日本画家・大平由香理さんが、地元の山を描いた作品を鑑賞することができる

日本一の源泉数と湯量を誇る温泉大国・別府。性別や国籍を問わず、裸になって自然の恵みを享受する別府という土地柄を生かしながら、アートでまちづくりする「BEPPU PROJECT」に、いま世界が注目している。地元住民の営みが息づく街を舞台に、2009年、芸術祭「混浴温泉世界」を開催し、’16年には、1年に1組のアーティストを呼ぶ個展形式の芸術祭「in BEPPU」へかじを切った。アート界の巨匠、アニッシュ・カプーアさんを招くなど、別府の名を世界に広めた。

クリスチャン・マークレーさんの作品『火と水』。火や水がプリントされたのぼり旗が100本並ぶ餅ヶ浜桟橋を歩き、風にはためく旗や鈴の音を楽しむインスタレーションアートだ
クリスチャン・マークレー『火と水』(別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」/2012) photo: 久保貴史 ©別府現代芸術フェスティバル「混浴温泉世界」実行委員会

さらに、若手アーティストに1カ月1万円で、住居とアトリエを貸し出す「清島アパート」や、市民の文化祭「ベップ・アート・マンス」もあり、アートを通じて地域のつながりを結ぶ「社会関係資本」を生み出している。

18年前にBEPPU PROJECTがはじめたアートでのまちづくりは、小石を水面に投げたように波紋となり、人と人をつなぎ、いまも広がり続けている。2022年、創立者・山出淳也さんは、長く続く組織にするために、同じ人が代表を続けてはいけないと中村恭子さんにバトンタッチ。「アートでのまちづくりは継続が難しい。未来を見据えた山出さんの考えも素晴らしいです」と永山祐子さんも高く評価した。観光、移住、雇用など、地域の問題をアートで軽やかに解決するBEPPU PROJECTのさらなる挑戦に期待したい。

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一人のアーティストの想いがつないだ、
アートのまちづくり。

西野 達『油屋ホテル』(『西野 達 in 別府』、『ベップ・アート・マンス2017』)photo: Wakiya Nobuhiro ©Mixed Bathing World Executive Committee
サルキス『Les Anges de Beppu』(ALTERNATIVE-STATE #8/2022)photo: 山中慎太郎(Qsyum!)©混浴温泉世界実行委員会

BEPPU PROJECTの創立者・山出淳也さんは、自身も国内外で活躍するアーティストであることを生かし、たくさんの名だたるアーティストを別府の街に招聘。別府の街にアートの素地をつくった功績はあまりにも大きい

2009年 グループ展による芸術祭「混浴温泉世界」
2010年 市民文化祭「ベップ・アート・マンス」
2014年 「まちじゅう美術館事業 壁画プロジェクト」
2016年 個展形式の芸術祭「in BEPPU」
2022年 パブリックアート設置事業「ALTERNATIVE-STATE」

BEPPU PROJECT
Tel|0977-22-3560
www.beppuproject.com

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左)清島アパートの利用後、移住した勝正光さん。中央)BEPPU PROJECT代表理事・中村恭子さん。右)スタッフの西来路千明さん

 

鹿児島・奄美大島エリア
「伝泊」

 
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text: Nozomi Kage photo: Hiromasa Ohtsuka
Discover Japan 2023年10月号「私を癒す15の旅。/九州」

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